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第129話 補修費は請求させてもらう!


「いい加減にしないとスター・バーストをお見舞いするぞ!」


「ひいぃ!? お許し下さい、お代官様ぁ!」


「誰がお代官様だ!」 



 お代官様もとい……絶賛ご立腹中のラヴァンさんが再登場し、急展開を迎えることとなった。一人だけ戻ってきたようだ。他のメンツはそのまま残してきたのだろう。



「……して、お代官様、交渉の結果はどうなりましたか?」


「ふざけるのは大概にし給え! 学長がお呼びだ。今すぐ召喚に応じ給え。三人ともだ。」


「おおっ!?」



 とりあえず、話は聞いてもらえるようだ。入学できるかどうかまではわからない。これからの交渉次第でどう転ぶかといったところだろう。



「その前に君たちは一体何をしていたんだ? 壁に穴が空いているようだが?」


「いや、ちょっとした手違いで、キチったゴーレムの目がスベってしまいまして……。」


「……は? 言っていることの意味が良くわからんのだが? まあいい。当然、壁の補修費は請求させてもらうからな。覚悟しろ。」


「タダデスムトオモウナヨ! アホ!」



 うわ~ん! 請求されるんですかい! ちゃっかりしてるよ! 軽く暇つぶししただけなのにな。しかも、ゴーレムになんかバカにされてしまったではないか!



「えぇ……!? じゃ、じゃあ、後はタニシ! 頼んだぞ!」


「しょぎゃわーーん!? あっしが払うんでヤンスかぁ!?」


「アレはお前のやらかしが原因じゃん?」



 やった本人に責任は取ってもらおう。あんなわけわからん言葉で恫喝したのが悪いのだ。



「下らないことをやっている暇はない。今すぐ学長の下へ行くぞ。」



 ラヴァンは杖を掲げて、何か魔法の準備行動を取り、効果を発動させた。一瞬で周りの景色が切り替わった。転移の魔法で学院のどこかの建物に移動したのだろう。学長とやらのお部屋かな?



「学長、勇者を連れて参りました。」


「ウム、ご苦労。」



 部屋の奥の方には豪華な作りのデスクと椅子が設置されており、学長らしき男がそこにいた。なんか以外と若々しい外見だ。30代~40代、いや、年齢不詳な感じがする。でも耳を見たらその外見にも納得がいった。耳が尖っているし、チョイ長い。エルフだ!



「君が勇者ロアかね?」



 ……ん? なんか見覚えのある顔……? しかも、俺が良く知っている男の顔だ!



「ファ、ファルちゃん……!?」



 ていうか、老けてない? 髪伸びてない? しかも、キャラ変わってない? イメチェンしたんか? でも顔つきはアイツそのものだ!



「……似ているかね?」



 似ているも何も、本人じゃないのか? 急に他人行儀になりやがって! 大武会は一緒に優勝しただろうが!



「勘違いしているようだが、私は君が思っている人物ではないよ。私の名はカイル・A・シオン。魔術学院の学長を務めている者だ。」



 なんだって!? 名字が同じ! てことはアイツの身内か? そういや、アイツからは身内の話は一切聞いたことがない。何か理由があるのか?



「もしかして、お兄さんとかなんかなんですか?」


「ご想像にお任せする。この件については今後一切答えるつもりなどない。NGとさせて頂く。」



 意味深だな。聞くな、ということか。これじゃ、どういう関係なのかも一切わからないじゃないか。まあいいや。ラヴァンにでも後から聞いてみよう。



「学院に入学したいとのことだが……許可しよう。」


「え、マジすか!?」


「ただし、こちらの出す条件には従ってもらう。もし、それに従わなかったり、その素振りを見せた場合は……即刻、追放させてもらう!」



 何? 条件付き? 一体どんな条件が課せられるのだろう? やっかいなモンじゃなきゃいいが……。


「その条件とは……勇者の額冠をこちらで預からせてもらう。」


「……!?」



 マジでやべえ条件を出して来やがった! 入学するなら勇者は休業しろってことか! さあ、どうする?

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