第三話
<注意>
・初投稿作品なので誤字脱字や文のおかしいところがあるかもしれませんがご了承ください。
・よく改題することがございますのでご理解の程お願い致します。
エルメド聖国聖王テレラン・レットと精霊騎士団三筆頭の残る二人、光の最上位精霊を宿すフェアル・エレナ、土の最上位精霊を宿すエムス・グリルドたちは聖王室にて焦りと思考の沼にはまっていた。
「報告会に来ないとは...レグニドはいったいどこに行ったのだ...。」
テレランは白く染まった髭を触りつつ言う。
その時だった。
「コンコンコンコンッ」というノックが響き渡り、部屋のドアが開かれる。
「失礼します!国境警備隊より伝言です!」
「国境警備隊?...まさか...。」
「裏門の鍵が無かったため一人一人問い詰めたところ、警備隊員の一人がレグニド様より金銭を受け取り、馬車を一台通してしまったと白状いたしました!」
その言葉に皆愕然とした顔をする。
「なんと........。状況は分かった、もう下がってよい。」
テレランは顔を崩したままそう言うと伝言班は静かにドアを閉め去っていった。
「クソッ!...本当に奴は国境を超えたのか?...フェアルよ。」
エムスは事実を認めたくない思いと今にも漏れ出そうなほどの怒りが脳内を交錯していた。
「口を慎みなさいよ。それにあんただって今聞いてたわよね?それが真実よ...。」
「最近様子がおかしいと思っていたのはそのせいか...。」
部屋に沈黙が訪れる。
ただ、それを破るかのようにテレランは重い口を開く。
「二人よ、これだけは言いたくなかったが...奴は国境を越えテレンシアへと向かったのだろう。」
その言葉に、現状で最悪の結果になってしまっている事を二人は実感する。
「多分だが奴は、直近の功績があまり良くはなくここで一発打ってやろうという思いで単騎で敵国へ戦いに出たのだろう。その証拠に先の伝言班は『馬車を一台を通した』と言っておった、つまり部下すらも連れずに出たということだ。」
「すべて自分の手柄にするため...。」
フェアルにも怒りが現れる。
またも部屋に沈黙が訪れようとしたときだった。
二人は神妙な面持ちで立ち上がり、頭を下げる。
「...王よ、我々に捜索のための国外派出をお許しくださいませ。」
フェアルの発した言葉に続いてエムスも言葉を発する。
「...私もフェアルと同意見でございます。こんなことになってしまったのも、我々が彼を少し自由にさせ過ぎてしまったことに起因します。」
二人の突然の申し入れを聞いたテレランだがその言葉を待っていたかのような顔で言う。
「よかろう、仲間を思う気持ちは受け取った。ただし奴が今どのような精神状態か分からん、だからもし奴が攻撃してきたとしても殺そうとはせず無力化せよ。」
いくら身勝手だろうと一応は最上位精霊を宿している者であり、むやみやたらに殺してはもったいない。
そんな愛情の欠片もない様な思いは表に出さないようにする。
「では、行って参れ。」
その言葉を聞いたフェアルとエムスはもう一度深く頭を下げ、部屋から出る。
二人が出て行ったのを確認しテレランは不安げに呟く。
「あの仮面には出会ってないといいが...。」
* * *
コツコツと音を立てながら急ぎ足で二人は城内の廊下を歩く。
「あいつはいつから変わってしまったんだ...。」
独り言を言うエムスにフェアルはわざと返事を返す。
「我々のせい、かもね。」
返されると思っていなかったのかエムスは少しキョトンとする。
二人は同僚の身勝手な行動に対し、怒りとともに多大なる責任を感じていた。
たとえどんな者であろうと騎士団員の一人として敬意を払い、対等な関係でいた。
ただそんな二人の気持ちも、今の 彼 には全く届いていなかった。
二話目から一週間ほど期間が開いてしまってすみませんでした。
その間にもユニークユーザ数・PV数が少しづつ増えていて早く次を出さなきゃなぁと思っていました。
そんなこんなで作った三話目でしたがいかがでしたか?
作品は大体三話目くらいで決まるとたまに聞きますが、自分的にはよくできたほうだと思っております。
戦闘シーンは次回にしますのでもう少しお待ちください!(やっぱ大事ですからね...)
ということで、また期間が開く可能性も無きにしも非ずですが気長に待ってくれるとありがたいです。
読んでくれてありがとうございます。