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①章 第一話 ~刻陰師会魔術科特異術式暗殺部門~

<注意>

初投稿作品なので誤字脱字や文のおかしいところがあるかもしれませんがご了承ください。


テレンシア王城内には数多くの部屋がある。

大広間、謁見室、来賓室、王国近衛兵専用部屋、玉座の間、挙げればキリがない。

しかしこれらは(おおやけ)に公開されている情報であり、表に出ないよう秘密にされてきたエリアも少なからず実在する。

中でも国家の上層部しか知らない王国最強の軍事組織がある。


その名も「刻陰師会(こくいんしかい)


テレンシア王国が持つ戦闘組織の中でも非合法的事案、大規模事案を一手に引き受ける精鋭部隊である。


入隊時にある訓練で近接戦闘科・魔術科の二つに振り分けられ、近接戦闘科は体術の秀才が、魔術科は魔法の天才が集まる所となっている。

そんなエリート集団だが異端児と呼ばれる部隊が存在する。


「魔術科特異術式暗殺部門とくいじゅつしきあんさつぶもん

隊員2名という超少数部門でその名の通り水面下での暗殺・工作を主な仕事とするため、素性を割られてはならず情報の管理が厳重で他部門の隊員と話すときでさえ仮面+変声という徹底ぶりである。

そんな変質者部門の部屋では二人の隊員が話し合っていた。


「そろそろ行く...」

魔術科特異術式暗殺部門隊長ノア・レクレフトは小さく呟く。

「りょーかい、いっちょやりますかぁ」

別に深い意味を込めたわけでもなくただ独り言のように呼び掛けただけで返事が欲しかったわけではない。

しかしその小さな呟きを聞き逃さずちゃんと反応を返してくれたただ一人の同僚、副隊長トレイル・フェニスターにはちょっと申し訳なく思う。


「おいノア、今回の標的(やつ)はちょっと厄介な奴なんだろ?ヘマすんなよ?」

「その呼び方はよして。どこで情報が漏れるかわからない。」

感情の無い様な平坦な声でそう返答する。

ふと考えると、いつも出発する前にこのようなやり取りをしている気がする。


「もう100回は聞いてるよそれ。ほんっと情報だけは厳しいなぁノアは。」


やはりそうだったらしい。


にしても100回もそんなことを言っただろうか?

おそらくネタでそのような発言をした、というのは誰でも容易に想像できる。

しかし、もしそれが本当なのだとしたら、情報の記憶ができていない私の失態でもある。

考えすぎと言われるかもしれないが、何事にも疑ってかかることは普通であろう。ましてや我々の様な情報を最大限の武器とする者からすれば、五感で得たすべての感覚を統合して初めて信憑性のある結果として使用できるので、その分析は非常に重要なものとなる。

もちろんそれは他者からの受動的な行為だけではなく、自ら他者に働きかける能動的な行為にも当てはまる。

自分の言動が自らを取り巻く環境にどう影響するのか、それを深く考える事で次に起こることの予想がおおよそつく。

しかし、深く考えてしまうが故に発言に対する返答などが遅くなってしまう。

そしてそれを解消するための方法を模索するのに、また多くの時間を思考に費やす。

問題が堂々巡りしてらちが明かない、考えても無駄の様だ。

いや、しかし...


「ねぇ生きてる~?」


その言葉で現実へと引き戻される。

ついいつもの癖で深い思考の沼にはまっていた。

先程の返答からどれほど時間がたったのかは分からないが、反応をうかがうような問いかけをしてきたということは普通の返答にかかる時間を大幅に超えていたようだ。

さすがに返答したほうがいいだろう。


「はぁ...さっきの話聞いてた?その呼び方はよして...と言いたいところだけどこの部屋内だったらまぁいいわ。それに私たちが今まで失敗したことある?」


「うーん...ないね。」


なんの根拠もない言葉だ。

今まで負けたことがないから次も負けない。

その油断こそが一番の命取りになる。

だが、そんなことを考えればまた結論の出ない泥沼にはまってしまうだろう。


「っしゃいくかぁ!」

熱気にあふれたトレイルの声聞いて、ノアは雑念を払拭し、模様の入った仮面を付けて足早に部屋を出た。

この小説を見つけ、読んでくれたことに対する感謝はとてもここでは言い表せるものではありません。

もしかしたら、早く次が見たいと思ってくださる方がいるかもしれません。

ですが、リアルが忙しいのもあって不定期投稿のような形になると思います。

でもなるべく期間を開けない様努力いたしますので、どうぞ気長に待っていてくれると嬉しいです。

読んでくれてありがとうございます。

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