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くだらない私の日常 新人なろう作家の日常妄想系エッセイ

やはり存在したか……千の足を持つものよ


 ごきげんよう~ひだまりのねこです。


 新年早々ビッグニュースが飛び込んできましたね!!


 これは今年の十大ニュースの一つ、私はこれで決まりです。


 どんなニュースかって?



 地球上でもっとも足の多い生物が発見されたというニュースです。


 西オーストラリアで発見された「ユーミリペス・ペルセフォネ」という生物、これまでの最多記録750本を大幅に塗り替える1306本の足を持っています。


 私のような多足生物ウォッチャーからすると、数えるの大変だっただろうな……というのが第一印象。100に満たないムカデの足だって、数えるの大変なんですよ!!


 

 ところで、この生物、実は私たちの身近にいる生き物の仲間なんですよ~。


 知りたいですか? 知りたいですよね?




 今日は、そんな『ヤスデ』のお話。




 さて皆さま、もちろんヤスデは御存じでしょうね? 知らない方は検索、検索(多足注意)


 挿絵描こうかと思ったんですけど、絶対に苦手な方がいると思ったので、泣く泣く我慢しましたよ。


 えっと……あれです。ムカデに少し似ている、細長くて足がたくさんある生き物。


 庭いじりとかする方でしたら、よく見るんじゃないですかね?


 え? ムカデを知らない? 話になりませんな。検索して出直してきてください(多足注意)




 私の周囲では、ヤスデのことを、ムカデの赤ちゃんだとか言っている人が結構な割合でいたので、念のため説明しておくと、まったく違います。


 足が多いのと、生息域がやや被っている他は、別の種類の生き物。ライオンと鹿ぐらい違います。


 ムカデのように、肉食で毒牙があるわけでもなく、腐植や枯れ葉・草を食べる大人しい草食です。



 大人しくて可愛いのに、足がたくさんあって気持ち悪いのと身を守るために、強烈な匂いを出すので「不快害虫」扱いされているのです。



 納得いきませんよね。だって、漢字で書くと「馬陸」ですよ? 意味わかりませんけどなんとなく可愛いくないですか?


 英語だと、Millipede。ラテン語の千(milli)脚(ped)に由来しているらしいですけど、めっちゃカッコイイし!!


 日本語のヤスデは、「八十手」「弥十手」から来ているらしいですから、これまた渋くて悪くない。


 

 それに、多分一番嫌がられている理由であろう匂いですけど、身を護る手段が丸くなるだけ(可愛い)の彼らが、実に平和的な手段(匂い)で威嚇しているだけですよ?


 触ったら臭くなると勘違いされがちですけど、身体を潰したり、ちぎったりしない限りは大丈夫。っていうか、そこまでされないと威嚇すらしないんですよ。動きもスローモーションみたいにゆっくりでのんびりですし。


 だからね、ヤスデを忌み嫌う人は、ちょっと想像してみてください。




人間さま「おら、目障りなんだよ、手足をたくさん動かしやがって……」


ヤスデちゃん「ご、ごめんなさい……邪魔にならないように丸くなっているから許してください」


人間さま「うるせえ!! お前の存在自体が鬱陶しいんだよ、死ね!!」


 無抵抗なヤスデちゃんを踏みつぶし、引きちぎる人間さま。

 

ヤスデちゃん「くっ、もはやこれまで……せめてこの香りが家族の元に届きますように。私のことを忘れないで……ガクッ……」


人間さま「チッ……死にやがったかゴミ虫がっ!! うわっ!? クセえんだよカスッ!! この害虫!!」


 

 やれやれ……こんな人間にはなりたくないですよね? 今からでも遅くありません。どうかヤスデちゃんと仲直りしてください。未来は変えられるのです。



人間さま「あら、ヤスデちゃんじゃない!! 手足をたくさん動かして元気そうね」


ヤスデちゃん「ご、ごめんなさい……邪魔にならないように丸くなっているから許してください」


人間さま「何言ってるの。邪魔なんかじゃないわ。貴女が頑張ってくれていることは知っているんだから」


 震えながら謝るヤスデちゃんの頭をそっと撫でる人間さま。

 

ヤスデちゃん「で、でも……こんないっぱい手足があって気持ち悪いですよね……本当にごめんなさい……生きていてごめんなさい……」


人間さま「馬鹿ね……観音様は、千の手をもって世界を救ってくださるの。それにその手なら、千人と同時に握手出来るじゃない。とても素敵なことだと私は思うのよ」



 うむ……やはり人間こうありたいものです。



 ヤスデちゃんたちは、枯れ草や落ち葉を繰り返し食べることで土壌を豊かにする、ミミズと同じ分解者です。


 生態系には、彼らの働きが必要なのです。



 

 たしかにヤスデの匂いは強烈で、みそ汁の鍋に一匹入ってしまったら、鍋ごと食べられなくなるほど。


 匂いの主成分であるヨードは、正露丸とかイソジン臭といえばわかりますかね? ヤスデの威嚇臭もそれに似ています。


 さすがにいないとは思いますが、体液にはわずかながら毒性があるので食べちゃダメです。体液に直接触れると目や肌に痛みが出る場合もありますからね。


 キツネザルの仲間には、毒ヤスデを薬代わりに飲む種類もいるみたいですが、ちゃんと毒を減らしてから(刺激することで毒を噴射させ続ける)飲んでいるようです。


 

 わざとじゃなくても、もしうっかりヤスデを潰してしまったら。


 でも、そうなっても大丈夫。アルコール消毒液で簡単に消臭できます。


 あるいは、「ワセリン」や「サラダ油」「クレンジングオイル」などの油分を手に塗ってから、食器用洗剤で洗い流せば、匂いは無くなりますよ。



 私たちの身近に暮らしている実にファンタジーな彼らを正しく理解して、楽しいヤスデライフを!!



 あ、ちなみに『ムカデ』も大好きですよ。


 彼らについては、また別のエッセイで。


 それではまたね。チャオ~(なぜスペイン語)


  

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i566029
(作/秋の桜子さま)
― 新着の感想 ―
[良い点] 千本以上の脚を持っているって凄いですよね! もしかしたら、まだまだ今回の発見よりもたくさんの脚を持っている虫が発見されるかもと、わくわくします。 擬人化されたヤスデちゃん、健気で可愛いで…
[一言] ゲジ「毒とか持ってないです。Gを見つけたら捕らえます。よく見ると顔は可愛いです」
[良い点] ヤツの名前を見ただけで、ホラーよりも強い恐怖感。 むしろ嫌悪感(TдT) でも何故か全部読んじゃった。 そういうパターンの心の揺さぶりもあるのだなと勉強になった。 なんにせよ、新しい種が見…
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