葉桜+キャラメル=異世界召喚(!?)
桜はもう、葉桜になった。
葉桜になる頃には、花見客など何処にも居ない。
俺はきれいだと思う。
満開の時は少し白い桜の花。
葉桜になると中心が濃いピンクになる。
そろそろ甘いものが欲しくなってきた。
四六時中と言ってもいいほど甘いものを食べている自信がある。
だが、今まで虫歯になったことはない。
これは自慢だ。
ぼっちだから自慢できる人がいない。
それが故に発達したのは一人会話だ。
熟練した動きで鞄からキャラメルを取り出し、食べる。
キャラメルうまい。
常温のキャラメルもいいが、冷蔵庫で冷やした物もいい。
固いキャラメルが口内の温度で溶けて柔らかくなるのが個人的に好きだ。
これを話したら、大体の人は離れていく。
キャラメル好きは何処かに居るはず。
そう思っての行動だが、未だにキャラメル好きと会ったことはない。
急に風が吹いてきた。
桜の花びらが散っていく。
こうやって桜はハゲになるのか、とよくわからない事を考えていたら知らない場所にいた。
「せ、成功したぞ!」
「いや何がだよ」
思わず変な格好のハゲにツッコんでしまった。
教会とかにいる感じの服のハゲだ。
「急に召喚してしまい、申し訳ない限りです。
私共は、この国を守る聖女の召喚をしておりました。
そこに、聖女のみが持つという白い光と共に貴方が召喚されました。
どうか、この国を危機から救って下さいませんか?」
「は?」
「駄目でしょうか…………………………ん?」
驚くハゲ。
こっちの方が驚いているんだが?
「失礼ですが、性別は?」
「心も体も男ですが何か?」
「有り得ない!何故聖女召喚で男が来るんだよ!」
急に騒ぎ出す変な格好した男。
「誰だよお前」
「この国の王子だよ!!」
王子らしき変人は女性が来ると思っていたらしい。
そりゃ、「聖女」だもんな。
俺だって驚いてる。
だが、牢屋行きは無くないか!?
次回、『楽しい牢屋スローライフ』お楽しみに。
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