兵力が……!?
良かった。
茉莉花が魔王を倒してくれることになった。
「ごめん、忘れてた。」
その言葉を聞くまではそう思っていた。
「君以外に頼める人が居ないんだ。
お願いだから魔王を倒してはくれないか。」
茉莉花はなんとも言えない顔をした後、物凄く仕方なさそうに頷く。
「わかったよ、魔王を倒す。」
「本当にか?」
信じられなくて何度も確認する。
「そんなに疑われるんだったらやらんよ?」
そう言われて口を閉ざす。
やっと説得できたからか、今までの疲れがどっと溢れてきた。
「良かった…」
「そんなに嬉しいことなん?」
茉莉花が聞いてきた。
「ああ。魔王は、このルカーナ王国を標的としている。我が国を守るために、魔王を倒さねばならないのだ。」
だが魔王軍は今資金難なようで、攻めてくることがないため今だと思い、勇者である茉莉花を呼んだ。
そのような事を茉莉花に説明すると、
「他の国に助けてもらう事は出来んかったん?」
と質問された。
いい質問だ。
「それは出来ない。この世界にある4つの国全てが兵力を保有していないからだ。」
「あー、なるほど。兵力がな...いのかよまじか」
納得したような驚いているような茉莉花の言葉を聞いて、補足する。
「勿論、モンスターや魔物を倒すことを生業とする狩人などはいる。だが、国を守る兵士などはいない。今まで魔王が攻めてくることが無かったからだ。
…魔者とは比較的友好な関係を築いていたと思っていたが。」
ここで一旦区切って、真実を話す。
「…というのは嘘。いや、人間の勘違いだ。
魔王軍は、獣人の住む地であるオジュナに行こうといている。その最短ルートの近くにある国が、このルカーナ王国だ。
勘違いで召喚なんて酷すぎる!
このことを知ってるテュエナはもしかして……
でも、この世界にいる間は日本の時間は止まってるんだって!
これで一安心!…ってあれ?私は!?
次回、『一人だけババア』お楽しみに!
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