異世界転移よりハヤシライス!?
私の、私の世界を救って下さい...
「はあぁ!?」
よくわからない女の人の声が聞こえて、驚いて眼を覚ます。
「なんだ、夢か...」
よくわからない夢を見たもんだ。
これじゃまるで異世界に召喚されるみたいやないか。
花の女子高生生活をエンジョイしている私からしたら、異世界召喚されるなんてとても迷惑だ。
2週間に1度はタピってるし、カラオケに行ったりプリも撮っている。
もちろんS●owも。
これでエンジョイしていないはずがないやろ。
...タピオカを飲んだらお腹が痛くなるけど。
お腹が弱いんだ、私は。
つまり...
「か弱き乙女!いえーい!」
思わず叫んでしまう。
もうこの時点でか弱き乙女ではないな、自分でわかってる。
そしてこれのどこが乙女なんだよ。
自分につっこみながらパジャマから制服に着替えるところで気付く。
「な、なんじゃこりゃー!!!??」
足下にあるのは、多分魔方陣。
まだ東京にも行けてへんのに、転生できるもんか!
秒で制服に着替え、音速で部屋を出て、転がり落ちそうになりながら階段を降りる。
「茉莉花、おはようッ!」
朝からタンクトップ姿で鍛え抜いた筋肉を見せつける父は無視して、朝ご飯のハヤシライスをダッシュでよそう。
「いただきます!」
ハヤシライスは私の大好物。
せめてこれだけでも異世界召喚(?)される前に食べておきたい。
休日(5連休)を全て使って出来た究極のハヤシライス。
今、やっと...
「茉莉花、下の光ってるそれなんだ?」
その父の言葉を聞いた瞬間、視界が白くなっていく。
お父さん...一言だけ言わせて欲しい。
「ハヤシライスをたべさせろぉ!!!」
...これが、異世界「フローリアレンス」に召喚された勇者の第一声であった。
こんなにタイミング悪く転移させられるなんて聞いてない!
ハヤシライスを食べそこねちゃって、気分最悪!
この国の説明おかしいし、よくわからないイケメンと2人きりに!?
次回、『どういう説明だよ』お楽しみに!
評価、コメントよろしくね☆