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嘘をついたら、たらいが降ってくる  作者: 半空白
第1話 嘘をついたらたらいが落ちてくる男
3/27

その3 たらいを避ける訓練をした結果

初めての割込み投稿です。

最初に3つほど予約投稿していたのですが、話の都合上1つ差し込むことにしました。

 

 昨日、気持ち悪いナルシストっぽいおじさんに追いかけられた際、たらいがおじさんの上に落ちてきたことを登校中ずっと考えていた。


 いや、昨晩から考えていたんだけど、なんか考えるのがめんどくさくなって寝たんだよな。


 そして、朝、一人で登校しているとき、あることに気づいた。


 あれ? ひょっとしたら、たらいを避けられるのではないか?


 だって、嘘をついたのに、俺の頭には当たらなかった。 


 まさか、あのたらいが正直に垂直に落下してくれるとは思わなかった。


 いやぁ、自動追尾機能のついていない古典的な呪いで良かった。もし、あのままこの呪いと共に生きていかなければならないのであれば、死も覚悟していたところだ。


 まぁ、嘘をつくために命を捨てるなんて割りに合わないし、やりたくはないのだけどね。


 いや、そもそも、こんなことは昨晩の家に気づいておけばよかったのではないか?


 もう間もなく学校についてしまう。


 なのに、今更、あの「忌々しい嘘をついたら、たらいが落ちてくる呪い(仮称)」への対応策を思いついてしまった。


 思い立ったが吉日、学校なんてサボってたらいを避ける訓練をしよう!


 なんて思いもしたが、そんな理由で学校を休む根性もない俺は結局、心の中で葛藤をしながら、校門をくぐるのであった。


 放課後、友達との会話には目もくれず、急いで学校を出た。


 家に帰ると、手洗いうがいをしてからすぐに自分の部屋に入った。


 そして、スマホのストップウォッチ機能を利用して、たらいが落ちてくる速度を測ろうとした。


 勿論、最初は測るためにたらいを避けずに頭で受けることにした。


 後に、手で受け止めればいいのだと気づいたが、そのときはまったく気づきもしなかった。


「俺の50m走のタイムは5.8秒だ!」


 勿論、嘘である。っていうか、50m走でそんなタイムが出せるなら帰宅部していないから。


 さて、案の定、頭の上にはたらいが落ちてきた。


 俺はそこに書かれているであろうきついダメ出しなど目もくれず、ストップウォッチを確認した。


「3秒」


 案外、ラグがあった。


 っていうか、そんなラグがあるなら、もっと早くから避ける訓練をするべきだった。


 さて、もう一度やってみますか。


「俺の50m走のタイムは5.8秒だ!」


 あれ? 落ちない? どういうことなんだ?


 3秒どころか30秒過ぎても落ちて来ない。なぜだ?


 このとき、俺は人並みの頭脳をフル回転させた結果、ある結論に行きついた。


 一度ついた嘘は繰り返し言ってはいけないのではないか? と。


 こうなったら、避ける訓練以外にもやるべきことが増えたではないか!


 そう思った俺は再度、嘘をついた。


「俺の50m走のタイムは5.0秒だ!」


 試しにタイムを少しだけ早くした。


 案の定、たらいは落ちてきた。同じ内容では無かったら、たらいが落ちてくることが分かった。


 時間はきっかり三秒。


 さて、たらいはどんなことが書いているかな?


 あれ? さっき落ちたたらいってこんなに小さかったか?


 5.8秒のときと5.0秒のときでなんか大きさが違うんですけど。


 どういうことなんだ?


 ますますこの呪いの謎が深まるばかりだ。


 よし! こうなったら、嘘をつきまくって、たらいを見続けるぞ! ついでに避ける訓練もしよう!


 ******


 結局、訓練は母に「ご飯できたわよ!」と呼ばれるまで続いた。


 結論を言えば、謎は深まるばかりであった。


 あと、猛烈に頭が痛かった。食後に頭痛薬でも飲んでおこうか。


ストックがあることに浮かれているので、明日も6時更新します。

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