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嘘をついたら、たらいが降ってくる  作者: 半空白
第4話 蟹田さんの美容院は超能力者に優しい
20/27

その1 そうだ! 髪を切ろう!

今回の第4話は少なめです。


今までの半分くらいになります。


なんでだろう? 無駄な間話が無いからかな?

 

 今日の休み時間も俺の前の席に座る早場が話しかけてきた。


 そういえば、席替えしてこれで三回目だぞ! なんで、こいつがいつものように前の席なんだよ!


 ひょっとして、これは新しい呪いか? これもまったく欲しくなかったんですけど!


「柊木さん。髪切りません?」

「いきなり何だ? ひょっとして、お前、人の髪を切り取ってそれを食べたいの?」

「俺も男の髪の毛は食べたくありませんよ」

「じゃあ、女はいいのか!」

「俺にはそんな変態嗜好はありません!」


 目の前の知人が変態ではなかったことに安堵した俺は話を進めた。


「で、なんでお前と髪切りに行かなくちゃいけないんだ? 一人でも行けるだろ?」

「そこは超能力者しか来ない美容院で、なおかつ強い超能力者はロープライスで切ってもらえるんですよ」

「分かった! その美容院の主人が髪の毛を食べて強くなるんだな!」

「いや、違いますよ。いい加減、髪の毛を食べるところから頭を切り離してくださいよ」


 じゃあ、どうしたら、超能力者限定の美容院が切り盛りできるんだ? 意味がわからないんだけど?


 そうだな。今はこんなことを訊くところじゃなかった。さぁ、進めよう。


「まぁ、なんか長くなった気もするし、安いのか?」

「さっき、ロープライスとか言ってましたけど、多分、師匠ならタダっすよ」

「タダは好きだけど、なんで? 怪しすぎるよ! その美容院!」

「だって、オーラがとあるインフレした国の紙幣の金額な「だから、そのたとえは分かりにくいって!」

「じゃあ、ヒマラヤの山脈並みにとか、サハラ砂漠並みとか、アマゾンのジャングル並みに大きいとか言えばいいんすか?」

「まぁ、そんなところだよ」

「とにかく、髪切りにいきません? 予約取れたし、今日は友達連れてくるって言ってしまったんすよ」


 たとえについて尋ねておいて、聞き流すんですか? まぁ、別にいいけど、お前のたとえの分かりにくさは俺には関係ないけどね!


「なにそれ。既に拒否権なかったの?」

「まぁ、万が一のときはその辺の適当な超能力者を連れて行くつもりでしたが、行きません? そこでなら色々と話せるので」

「そういえば、なんでRAINを使わないんだ? 仮にトークの情報が漏れたとしても、ただのオカルト会話をしている痛い高校生で済むじゃないか」

「実はサイバー系に強い超能力者もいるんすよ。ほら、超能力も時代に合わせて進化するんすよ。だから、アナログじゃないと信用できないんすよ」

「そんな話聞きたくなかった!」


 そこは今までの超能力の型にはまっておけよ! なんでそこに時代とか流行とか取り入れるんだよ!


「とにかく行きます?」

「さっきからスマホからバイブ音が鳴っている気がするけど、出なくて大丈夫なの?」

「問題ないっす。どうせ迷惑メールかなんかでしょ」

「とにかく行こうではないか」

「そういえば、タダが好きとか言ってませんでしたか?」

「そうだけど、それがどうかしたか?」


 なんでそんな話を蒸し返すの?


「いやぁ、なんか小さいっすね」

「そんなこと言うな! 堅実と言え!」


 ******


 放課後、早場の案内の下、俺はその美容院に来たのだが……。


「本当にここであってるのか?」

「ええ、そうですけど」

「それにしてはやけに蟹を推してないか?」


 そこにはあちこちに蟹の絵が描かれていた。ここは美容院というよりも、蟹専門店にしか見えないのだが……。


 あっ! なんか床屋でよく見る青と赤と白の入り混じったランプみたいなのがある!


 ふむ。たしかにここは美容院だ。


「ここの主人が蟹と深い関係があるんすよ」

「にしても、このデザインはなくない?」


 むしろ、人が寄り付かないんじゃない?


「まぁ、いいじゃないっすか。さっさと入りましょう」


 早場に急かされて、俺は美容院の扉を開けた。


 が、すぐに閉めた。


「本当にここであってるのか?」

「あってますよ。この店結構人気があって予約が詰まっているんすよ。だから、さっさと中に入ってくれませんか?」

「いやいや、ここって本当に美容院なの? じゃあ、どうしてここには薔薇を口にくわえていた社交ダンスの服を着たおじさんがいるの!?」

「主人の趣味なんすよ。だから、入ってくださいよ」


 俺は早場に引きずられながら、美容院の中に入った。


 すると、薔薇をくわえてポージングを取っていたおじさんが俺たちに気づいたのかこちらの方に振り向いた。


「いらっしゃいま……」

「ねぇ、いきなり倒れたんだけど! この人、本当に大丈夫なの!?」


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