スポーツ部⑥
5ヶ月ぶり……。ごめんなさい。しっかりと書いたので、読んでいただけると嬉しいです。
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俺がいきなり褒められたのは、今までの彼女たちの対応が全てテストだったかららしい。
いわゆる「女子に対する対応テスト」といったところか。ここ一年はずっとこのテストを行っているらしく、合格者は俺が初めてだということだった。
今は、俺が謎の称賛を受けてから少し。俺はなんでそんなテストが行われたのか事情を聞いていた。
簡単に言うと、前にいた男の部員がこの中の女子の一人を襲ったらしい。
襲った、というのは言葉通りで、性的な意味である。確かにこの部活の部員は皆容姿が整っている。その男は女子の中に一人男、という環境に耐えられなかったのだろう。
「男の欲望」というものを爆発させてしまったということだ。
その男も最初は信用されて入ってきたらしい。勿論当時はそんなテストは行われておらず、部員の女子の一人が善意で連れてきたのだそうだ。
だからこそそんな事件が起きて全員ショックを受けた。襲われた女子は通りすがった大人によって純潔こそ守られたものの、心に深いダメージを負ってしまった。今でも学校に来れていないそうだ。
女子を襲った男は即転校。遠い遠い地へ飛ばされた。それでもその女子生徒はまだ心を閉ざしているのだという。
この環境は確かに男にとっては魅力的なものだろう。俺はこの中の人間に好意とかは全く湧いていないが、他の男子はやっぱり緊張とかしてしまうんではないだろうか。
鼻の下を伸ばしたり、デレデレしたり。そんな対応をした男子はひたすら蹴ってきたそうだ。
男子からしてみたら晴天の霹靂もいいところである。
可愛い女子に呼び出され、秘密の花園へ連れられて。その女子達のイザコザを見せられて、その対応次第で即退場。
なんで呼ばれたか分からない、という男子が多かったそうだ。当たり前である。
※※※
一通り話を聞いて、俺は驚いていた。まず、女子を襲うという行為が現実に行われたということ。そして、それを繰り返さないためのテストがあまりにリアルだったことだ。
「お前らこのテスト、何回目?」
俺は気になってきいた。
「覚えてない」
「かなりの男子蹴ってきたからなぁ〜」
口々に言う。覚えていないのか、意図的に忘れようとしたのか分からないが、それなりに人数こなしているようだ。
「そりゃあ、あんなに上手い演技になるだろうな。人呼び出しといて何喧嘩してんだコイツらって思ったぞ」
「ご、ごめんね勇雅君! これもテストだったの!」
そう言ったのは葵。
「まぁいいけどさ、あの、俺嫌われてる?」
なぜそう考えたかというと、さっきから女子が全然口を開かない。さっきの質問の回答だけで、もはや俺と葵しかいない部屋みたいになっている。
依然彼女らの眼は輝いてこちらをみているのだが、何故か無言なのである。怖い。
「え、嫌われてはないと思うけど……わかんないや」
そう葵が言う。
………あれ、それって嫌われてる可能性もあるってことですか。そうですか帰っていいかな?
これはイメージを払拭する必要がありそうだ。
俺は少し心を切り替えると、視線を葵から他の女子達へ向けた。
「えーと、これからこの部活でお世話になる白川勇雅です。よろしくお願いします」
誠心誠意挨拶をした。これで少しはマトモな奴だと捉えてくれればいいのだが……。
『よろしく!!!』
割れんばかりの挨拶返しだった。
「……え? どう言うこと?」
「この部活は挨拶で始まるってこと! それができないやつは退部だよ〜?」
そう口を開いたのは、少し髪が茶色がかった美形の女子だ。ショートカットの、髪と着崩した制服が、《明るい系女子》の空気をバンバンだしている。
「えーと、お名前お聞きしても……?」
俺がそう言うと、その女子は俺の近くにずいと寄ってきて、肩をバンバン叩きながら言った。
「もーう! そんなにかしこまらなくていいのにさ! 私は赤星茜! これからよろしくね!」
「この機会に皆自己紹介しちゃおう!」
葵がそう言うと、他の女子も立ち上がり、俺の前に立つ。
茶柱沙織。少しチャラ目でおっちょこちょい。テニス部に所属しているらしく、腕には流麗な筋肉が見てとれた。「私の自慢」らしい。
藍ノ部藍里。高等部一年生の先輩で、スタイルがよく大人っぽい。ポニーテールに結った黒髪は、バレー部で活動するとき邪魔にならないようにしているのだそうだ。
他にも朱野朱梨、紅野紅美という部員がいるらしいが、今日はきていないのだそう。
本当に女子しかいないんだなぁという事を噛み締めながら、俺は葵に話しかけた。
本当に出せなくてすみません!これからは定期的に出していく所存ですので、これからもよろしくお願いします!
ここまで読んでくれた皆様、ありがとうございました!