スポーツ部①
出せた···。出せたけど。文字数が少ないですね!すみません!まず最初のアレがおかしいこの一話目を、読んでくれようとした人に感謝です。
どうかお付き合いください!
1
暮れなずむ夕陽。窓の外で沈みつつある太陽を見つめながら、俺は日直の話を聞き流していた。
今俺は、学校にいる。そして今は、ホームルームの時間だ。小学校風にいえば《帰りの会》である。
俺が通っているのは《五色中高一貫校》なので、小学校ではない。よってホームルームである。
俺の住んでいる地域では中高一貫校は珍しく、うちともうひとつしかない。
俺はその中学部の三年生。今日が始業式だったので、できたてホヤホヤの三年生と言うわけだ。
面倒くさい業務連絡を聞くのが嫌で、外をひたすら見続けて暇を潰しているというわけだ。
はぁ、早く終わんねぇかなぁ···。「精神と時の部屋」に数秒こいつらを入れてやりたい。そうすればホームルームもすぐ終わるのに。最終的に扉を塞げば、あいつらはこちらの数倍の速度で老いて死ぬ。一時間くらいたったら出してもいいかもしれない。そうすればあいつらは年寄り、俺は若者だ。
そうすればいつも俺をバカにしくさっている糞どもをぼこぼこにできるのに。
逆に、そうでもしないと勝てない俺が弱すぎる。
······プライド? なにそれ美味しいの?
そんな風に益体もないことを考えながら時を過ごしていると、ホームルームは終わっていた。もう人の数はまばらである。
よし、帰る準備をしよう。そう考え、俺は机と机の間にしゃがみこんで荷造りを始めた。
すごいぜ、俺の鞄。教科書が殆ど入っていない。大体は学校のロッカーに置いてあるので、いつも軽装! 帰宅部世界代表として、恥じない装備を披露していた。
ようし、あとは筆箱をいれるだけ、そう思って机の上に視線を伸ばそうとすると、後ろの方から声をかけられた。
「邪魔なんだけど。退いてくんない」
声の主は、学内ヒエラルキーの上位に君臨する見た目ビッチ系女子。ビッチは完全な偏見だが、なんか色々と軽そうな見た目や俺に対する刺々しい態度が俺にそんな印象を抱かせている。
「ねえ、聞こえてる? はやくどいて」
何で? そう開きかけた口をなんとか押し止め、辺りを見回す。
もう教室内に人は殆どおらず、通ることの出来る場所ならいくらでもあった。
あのー、何で他の場所にいかないんですか? お前は将棋の駒の香車かよ。真っ直ぐにしか進めねぇのか。
色々と言いたいことはあったが、面倒くさいので俺は秘技を使うことにした。
皆も覚えておくといい。尻軽糞ビッチに理不尽かまされたら、こうするのだ!
「あ、はい、すみません」
淀みない動作で、俺は道を譲った。
謝ることによって一瞬相手の言葉を封じ、即座に行動することによって相手の追求を逃れる。これが俺の、《無敵時間捻出回避法》だ。
糞ビッチは追求を諦めたのか、これ以上俺にちょっかいを出すことなく、去っていった。
よし、俺も帰るぞ!
ルンルン気分で教室を出る。この学校は優しいことに、三年生の教室が一階にあるのだ。最高学年を敬う姿勢があっていいと思う。
俺はすぐに下駄箱に行き、靴をとる。
と、そこには、封筒があった。それはハートのシールで封をされ、俺の名前が書いてある。
一気に自分の気分が冷めていくのがわかった。
今まで何度も引っ掛かってきたテだ。もう騙されない。
俺は、封筒を丁重に握りつぶし、適当な奴の下駄箱に入れ直した。
よし、お仕事完了!
これを見たら、手紙を入れられたやつは、嬉しくて飛び上がっちゃうよ!
はぁ···。やってらんねぇ。中3にもなってこんなことして、何が面白いのかね。人を陥れて何が楽しいのだろう。
沈んだ気分のまま、俺は学校をあとにした。
最後までお読みいただきありがとうございました!
まだまだ続きます。まず、主人公の名前が出てませんね。これから出てくるので、楽しみにしていてください。