スプリングガール 〜春の妖精〜
警告!
楽しい小説を見ようとしたかたはすぐぬ戻ることをお勧めします!!
それでも暇つぶしで付き合っていたたげる方は辛口大歓迎なのでバンバンご意見をください
今回。初めて書く小説なのですが、この作品は某文庫での読者企画に参加しようとして書いたのですが、期限を見ておらずに書き上げた時点で期限切れだったので、振り上げた拳を降ろす場所を探したといいますか。
とにかく、自己満足の領域の作品なのですが暇つぶしに貢献できたら幸いです。
・・・初めて書く小説なのに、あまりないタイプの書き方をしようとしたら自分でおかしな小説と評価出来るものになってしまいました。。。
子供の頃、親に聞いたことはないかい?
「春はどこから来るの?」
って感じで。
他にも夏とか冬だとか、ない人もいるかもしれないが、とにかく似たような事を訪ねたこと思う。
答え方は家ごとに違うと思うがうちの親の場合は
「春を連れてくる妖精さんがいるんだよ」
だった。
なんともよくありそうな答えなんだが、当時の頭も心もお子様の俺はそれを信じて近所の林や川を探したもんさ。
もちろん、あれから十数年たち今では立派に高校一年生になった俺は季節の移り変わりを科学的に理解してるし、春の妖精は親が子供心を守る言葉だったのもわかってる。
それなのに何故こんな昔話を思い出しているのかというと。
「私、春の妖精なんです。春を呼び、春を広めます。」
とか言うバカが目の前に立っているからだ。
「むぅ、その目は信じていませんね?」
当たり前である。
「いいでしょう!ならば私の力を見せてあげましょう!」
日曜日の晴れた日にゲーム屋とか服屋にでも行って日曜日を満喫しようとしたらいきなり遭遇してこの様ですよ。
「いきますよー。そこのたんぽぽを見ていてください」
と言って、見た目は俺と同じくらいの女の子が両手を突き出して
綺麗な白い綿毛のたんぽぽに念を送っているのか、唸っている。
俺は変なのに絡まれたなーと思いつつ、暇だったので付き合うことにした。
一分位しただろうか、暖かくて優しい風が吹いてきて白い綿毛をふわりと、飛ばした。
飛んでいった綿毛が見えなくなると、自称春の妖精は満面の笑みでこちらを見て
「どうよ?」と言わんばかりに胸を張っている、俺は当初の目的であるゲーム屋に向かって歩き出しながら、今月発売のゲームがあるという友人の言葉を思いだして・・・
「待ってえええええ!!」
自称春の妖精が後ろから俺の襟首を掴む、首に衝撃が走る。
痛恨の一撃!
俺は死んでしまった・・・
「なんで無視するんですか!?」
どこからともなく悲しい音楽が聞こえた気がしたが、少女はこちらを気にした様子はなく一気にまくし立ててしゃべり続ける。
「さっきので私が春を広めてるのを見て春の妖精だと分かりましたよね!?だったらもっとそれらしい反応があるんじゃないんですか!!」
どうやら先ほどの風は自分が吹かせたもので、種を飛ばしてたんぽぽを増やすことが春の妖精らしい行動だと主張するつもりのようだ。
こいつは春の妖精と言うより、頭が春だと言えるだろう
俺がそう結論して、呆れながら溜め息をつくと(頭が)春の妖精は怒鳴りながら指さしてくる
「なんですかその溜め息は!!いいでしょう。あなたが私を春の妖精だと認めるまで私は何度だって春の妖精パワーを見せましょう!!」
それから、こいつには何度も絡まれた。
同じ学校でしかも同じ学年だったらしく、ほぼ毎日俺のクラスにやって来て
「今日こそ認めてもらいますからね!」
と言って腕を引かれ、学校の様々な場所に連れて行かれて、偶然を頼りにした春の妖精パワーとやらを見せられ。偶然が起きなかったときは決まって
「き、今日はパワーが足りませんね・・・」
などと誤魔化された。
休みの日も無理矢理聞き出された携帯番号を使って呼び出しをくらったりもした。
夏は春の妖精の羽を伸ばす期間です。とか言って遊ぶのに付き合わされて
秋は春の妖精の活力回復期間なのですよ。とか言ってケーキ屋などに連れて行かれて
冬は春の妖精の冬眠期間だよ。と言って一緒にダラダラさせられて
そして春が巡ってくると溜まった妖精パワーとやらを使って春を見せられる
一年目は暇つぶし程度に考えて腕を引かれながら付き合った
二年目は楽しくてわくわくしながら手首を引かれ付き合った
そして_____
「さぁ!今年こそ認めさせてあげるからね!!」
暖かな春の日差しの中、今年も彼女と共に歩く
「冬眠期間の間に色々な方法を考たんだから!」
彼女の元気な声を聞きながら俺も考える。
とっくに春の妖精だって認めている事をどうやって伝えるかを。
「今年も色んな所に連れて行くから覚悟してね」
ニヤニヤ笑う彼女に釣られて俺も笑顔になる
彼女の春の妖精パワーだとかいうのは確かに嘘だ。小学生だって信じないようなものである。
でも、確かに彼女は春を呼ぶ妖精なのだろう
なぜなら彼女の声を聞くだけで心が弾むから
彼女の笑顔を見るだけでドキドキしてしまうから
くさい言い回しかもしれないけど、彼女は俺の心に春を呼んだのだ。
「早く〜」
照れくさいことを考えてるうちに彼女は先に行ってしまっていたようだ
俺は小走りに彼女の元の急ぎ、彼女の隣へと急いだ
三年目は嬉しくてドキドキしながら手を繋いで付き合おう
そう心に決めた俺にあの日、彼女と初めて出会った日と同じ暖かな風が
背中を押すように優しく吹いた