プロローグ
初投稿。
まずは小説にしてみました。
至らない点、設定不十分、あります。
温かい眼で読んでやってください。
どれほどの時間が、流れたのだろうか。
あの人は、元気にしているだろうか。
そんなのは今どうでもいい。
ただ、想いを伝える。
そのまんま、頭に浮かんだ
あの日の記憶を、偶像に━━━━━━━━━━━
だんだん境目がわからなくって来る感覚。
現実に引き戻されゆく精神。
息苦しい意識の中で、ある音を見つけて目を覚ました。
7:00と表示されているであろう手元のスマフォの『停止』ボタンを、手探りでタップする。
いつからだろう。こんなに朝が嫌いになったのは。
支度をし一階に降りると、よく似た顔立ちの男が、澄ました顔でコーヒーを飲みタブレットを弄っていた。
「おはよう」
と男が言う。自分も将来、こんな老け顔になるのだろうか。
全くだ。
「ん。」
なけなしの声を絞り出す。
ニュースではまた、何年も前から続く海面上昇について、などくだらない話題で盛り上がっている。もう手遅れなのに。
家を出る。
住宅街を進む。見慣れた風景だ。仮にも2年間通っただけあって、流石に飽きてしまっている。
「しゅーーーーさーーーーん!!」
金髪のアホ面が走って来る。後輩の咲平だ。
いつもよく慕ってくれている。鬱陶しいくらいに。
同じサークル仲間ということもあって、親しくしているつもりだ。
昼休み、自分は仲間たちに囲まれていた。
「しゅーさん!」
「じん。」
「しゅうくーん」
テーブルの誕生日席に座らされた。特別扱いはやめろと、あれほど言ったはずなのに。
みんな、楽しそうだ。
「しゅうくんのために〜、今日はスペシャルなゲストを連れてきたっすよ!」
後輩の女子、歩鳥が言う。
「絶対喜びますよ!」
咲平も続く。何かしでかすのはいつもこの二人だ。同級生ともあって、気が合うのだろう。
「かりんちゃーん、いいよー」
黒髪の女子大生が歩いてきて、向かい側に座った。
同級生の千堂 華凛。 穏やかな雰囲気と清楚な外見。俺は密かに好意を…どうだろうか。
「おはよ、神王寺くん。」
「ん、ん。」
言葉が詰まる。あいつらは馬鹿なのか。なんでいきなり会わす。
「たまたま今日ヒマだよーっていうから、連れて来ちゃいました!」と後輩達。
実は華凛とは幼馴染だ。昔から親の方が深い関わりがあり、小さい頃によく逢っていたのを覚えている。
しかし時間が経つにつれて疎遠になった。親の関わりも今では一切ない。
しょうがないことなのだろうが。
━━━━━━━━━━━結局ろくに話せなかった。
頼むからやめてくれ。自分のペースがあると言い聞かすが、2人はまるで聞いていない。
励ましてくれているんだろう。
この毎日が、壊れてしまう前に。
暗い部屋。
沈みゆく夕日。
すくむ足。
震える手。
滲む視界。
一枚の紙。
忘れることは、ないだろう。
帰路、先程の4人と別れて1人近くのカフェに入った。
特に用事もないが、体が行きたいと言うので身を任す。
「いらっしゃいま…柊くん?」
「ども…」
声を漏らす。
テーブルを手際よく拭いていたのはここのカフェの店主、裃さん。
マダムというにはまだ早い、落ち着いた女性だ。
結婚をして、カフェを夫と2人で営んでいる。
勿論行きつけの店だ。ここに来ると、嫌な思い出を忘れられる。
甘めのコーヒーを頼み、カウンターに腰を下ろす。
「どーしちゃったのよ。暗〜い顔して。」
知ってるだろ。と言いたい。
「こういう時こそ、気合い入れて生きないと駄目じゃない?ほらっ笑って。」
笑えるか。
「シャイだなぁ。」
悪かったな。
「ああ…そうだよな。旦那さんは元気なのか?」
話を逸らしてみる。
「勿論よ。今日も事務の仕事に追われてるみたいでね。」
「大変だな。」
安堵の表情になる。緊張したらすぐ喉が乾くので、コーヒーを口にする。
美味い。
そう言ってやろうと口を開けた瞬間、
パリン、と。
窓ガラスが割れ、外で爆発音が聞こえた。
「キャーーッ!!」
裃さんが叫び蹲る。反射的なものだ。
店が暗くなる。自動シャッターの閉鎖が始まっていた。
「落ち着いて、裃さん。」
とりあえずなだめる。
「ちょっと行ってきます」
閉まりゆくシャッターをくぐる。自分でも何を考えているかよく分からない。
街を襲った奴らが、先程別れた仲間の元に向かったからだろう。
身体が、動く。
「駄目!行っちゃだめ!死ぬわ!」
裃さんが言う。しかし腰が抜けて寄ってこれない。
「さいですか。」
どうせ一度はおしまいにしようとした命。
俺は進んだ。
プロローグです。次回から本格始動。
まだまだ、わからないことだらけです。