第9話 菊乃の不満 1
投稿が遅れてたいへんすみませんでした!
またこれからちょこちょこと書いていきますので、
その際はどうぞよろしくお願いします。
「は~る~ちゃ~ん! お~はぁ~よぉ~!」
「うおぉ!?」
ボフッっという鈍い音が、春菊の下腹部らへんに響く。
「いててて……って、また菊姉さんですか……」
「うん! おはよ~春ちゃん~!」
「おはよう……って、何で菊姉さんは朝から毎回俺の部屋で俺の寝ているところに
ダイブしてるんですか……」
「えぇ~? 昨日はちゃんと我慢して春ちゃんのとこによば……
眠りに来なかったんだよ!?」
「当たり前です!」
春菊はそう一喝すると、少々顎に手を当ててまだ起きて早々の頭を働かせる。
「あれ? どうしたの、春ちゃん?」
心配そうに顔を覗かせる菊乃に、春菊は目もくれず目をつぶりながら考える。
そして……
「……わかった!」
「ふぇ? 何が?」
「今日から一週間、俺とのボディタッチ禁止にしよう!」
「……え……?」
「えーーーーーーーーーーーーーーーーーー?!」
朝一番の悲鳴とも取れる叫びが、花ヶ丘家に響き渡った。
「……そう言うことだから、みんなもご協力頼む」
「……まあ、事情はなんとなく分かりましたけど……」
「どうして今更そんなことをするの、春くん? それに……」
と、碧は言葉を切って隣に視線を向けると、
「……春ちゃんと……ボディタッチ……禁止……」
そこには、魂が抜けたミイラのような菊乃が上を見上げながら放心していた。
「というか、今までが異常だったんだ。
この機会にちゃんと姉、弟の関係を見直すべきだ」
「どこが異常なのぉ!?」
「”普通”のきょうだいならあんな起こし方しません」
「でも、私たちは”義理”のきょうだいだよぉ?」
「うっ、ぎ、義理は義理でも、きょうだいには変わりありません!」
「うぇ~~ん、おかしいよぉ~!」
「とにかく、今日から一週間、過度なボディタッチは厳禁です」
「そ、そんなぁ~……」
ぐったりと分かりやすくうなだれる菊乃に、柚乃と碧はすかさずフォローを入れる。
「た、確かにお兄ちゃんが言うことも一理ありますね……」
「そ、そうだね……前までは確かに行き過ぎてたと思うし……」
うん、とお互いの顔を見て頭を振る柚乃と碧。
「そ、そんなぁ~……」
フォローというよりかは追い打ちをしたかのような柚乃と碧の言葉に、
菊乃は人生でこれまでかというほど悲壮感を露にしていた。
しかし、一方で柚乃と碧はというと……
「(お、お兄ちゃんがお姉さんとの体の接触を禁止に……
こ、これは……思ってもなかった絶好の機会……えへ、えへへへ……)」
「(確かに、きょうだいであんなこととかこんなこととかおかしいよね、うん!
やっぱり、ここは菊乃さんにきちんと更生してもらわないと……!)」
また彼女らも、それぞれの思惑があったのだった。
これから2、3と続いていきます。続いていきたい(願望)