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遭遇

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異世界に召喚されてから約十日ほど経った。


「……ああっ…やっと……やっと抜け出せる!」




蒼井です。やっと森から抜け出せます!!!




現在、目の下には大きなクマがあり軽装備だった服装は至る所が泥がついたり乾いたりと薄汚れている。足取りは力なく歩を進めており、だが目の光だけはギラギラとしていた。

……目からは涙が出そうだが枯れ果てている。

HP・MPともに全快。だが表示されていないSAN値が天元突破している。


「つらかった…ほんっっとにつらかった!!」


この十日間の事を思い出すと大変濃かった日々が思い出される。



========================



初戦闘を終え意気揚々と探索に繰り出した蒼井は、マップを使い苦も無くモンスターを狩っていく。やはりボス級だったか≪アーク・キマイラ≫に匹敵するようなレベルのモンスターとは会えず剣を使い身体を自分自身の感覚と合わせるように戦闘を行っていった。魔法や気などが使えればもっと楽に戦闘の幅も大幅に広がるだろうが、発動の仕方が全くと言っていい程掴めない。普段から魔法も気をも使うことのなかった日常だ。そう簡単にはいかないだろう、経験を積まなければ。


初日は幾度かの戦闘を行い、気付けば辺りは暗くなっており、樹のお蔭か薄暗かった視界が一層暗くなっていた。

腕時計の示す指針は、こちらの世界に来た時から時間はあっておらず、仕事終わりだったため召喚された時の時間はもう夜の九時頃だった。

普段使わない神経と身体を動かしたせいか、戦闘の興奮が収まり始め冷静になってくると眠気が襲ってくる。


HPの表示は満タンのままだが、やはりファクターとしてゲームではないのだ。状態以上はなくても眠いものは眠い。


近くに身を寄せるような場所はないか、辺りを見回し手ごろなところに見当をつける。

周りにあった枯れ木などを集め適度な大きさに折っていく……それなりの大きさだったが魔法は使えずともステータスのお蔭でパワーはある。


そして鞄の中にあったもう使わなさそうなパンフレットなどを取り出しライターで火をつける。


「ふう……仕事終わりに飛ばされたから疲れたし眠いな。さすがにお腹減った」


アイテムからビールを取り出し飲む……。

こういう時は明らかに水だとかそういうのがいいのだろうがMMORPGである。

開拓をしていた初期のころは水も持っていた。しかし戦闘ばかりになってくると回復量が多いアイテムであったり拾ったりするのが多くなっていき、

アイテムの中に入れてあった水などは初期プレイヤーにあげてしまったりしていた。

そうなれば飲み物であるのがビールばかりである。


「早く水源確保しなきゃこれじゃあ余計にのどが渇く…はぁ」


蒼井はビールは水!と言えるほどガバガバ呑めるほどではなく嗜む程度である。


次に取り出すのは、先程狩ったオークである。

……キマイラは大きすぎてよく分からなかった。


ある程度の手頃の大きさになるように解体していく。

アイテムボックスは優秀か、無限収納でよくある時間もそのまま保持してくれるらしくまだ体温を感じる。切った先から血が噴き出してくる。

今回は肉の美味しさなど言っている時ではないので血抜きなどは飛ばしていく。

オークなどは解体したことはないがここを通してここを外してと、頭ではすんなりと理解しなぜか感覚としてできるようになっていた。


そう。解体については、スキルで補正されていた。

複合スキルの〈生活〉、その中で、必要となってくる解体スキルである。



「んーんーふんふ、ふんーふふふん♪できた―!」


無事、ある程度解体が終わりロース?らしき場所をいくつか骨付きのまま火にかけていきこんがり肉が出来上がる。

…ここに塩・胡椒など調味料などがあったらどれだけよかったか、今は素材?本来の味を楽しむことにする。

普段食べられないような大きいお肉に骨付きだ。豪快に肉にかぶりつく。

中から肉汁があふれ出し旨味の刺激が食欲にクリティカルヒットする。


「んんっ!!これはうまい!!」


味はイノシシのジビエと豚肉の中間ぐらいの味か、野生感あふれる感じと豚肉のような柔らかさを兼ね備えた味だ。まぁ豚が野生化したらこのような味に近づくのだろうか。

そこからはお腹が減っていたので無言で食べ進む。


普段なら食べられないよう量はあったがすんなりと気付けばなくなってしまっていた。

まだお腹は一杯ではない。六分目だろうか?

やはり七つの球を集める漫画の主人公の様にか、ステータスが高いとといくらでもお腹に入ってしまう。


一度お腹に入ってしまえば次に襲ってくるのは眠気だろう。

マップに警戒範囲を設定し疲れとともに横になり身を休める。








ここまでの初日はこの後過ごしていった日々に比べれば天国と思えただろう。


――――いや、まさしく天国であった。





横になってから数分もしないうちから警戒音が頭に響いてくる。

十分に取れてない疲れと眠気を振りほどき起き上がりマップを見ればモンスター反応の光点が幾つか見える。

マップのお蔭で奇襲は防げるが撃退しなければならないだろう。

その後は、絶え間なくモンスター反応が続き戦闘、戦闘の連続である。

アーク・キマイラが倒されたことが分かったのだろう。新たなテリトリーを求めて、食料を求めて次から次へとこの場所へとやってくる。ここは自然界、弱肉強食の世界だ。トップがいなくなれば始まるのは魔物同士の勢力争い、生存競争だろう。

休める時間も数分しか取れず開き直って休むのをやめ、街があるであろう方向に歩を進める。




もうそれからは戦いの日々であった。

定番のゴブリンの集団?軍隊やらフェンリル、キメラにオーガ、一つ目のサイクロプスなども来るし樹を伝ってくる猿みたいなモンスターと次々と戦いになった。

二日目ぐらいでやっと水辺を探しあて確保しようとすればサハギンとかワニみたいなのが襲い掛かってくる。

何とか水を確保し休めるところを探していればトレントの集団地帯に踏み込んでしまったり……休もうと思って洞窟に入ればゴレームや大きい蝙蝠らしきモンスターに襲われた。


おかげで生存本能からだろうか、がむしゃらで生きていく中でいつの間にか気の使い方がわかるようになっており、そしてもうレベルは高いところにあったがレベルのが2レベルほど上がっていた。もう気はいつ使えるようになったかは覚えていない。



無駄に体力があるので死ぬことはなかったがSAN値の限界はすでにはるか彼方だ。

極度の緊張と眠気との中でやっとの思いで冒頭の森の出口に着いた訳だ。



========================



つらい十日間を回想し余計に疲れる。

だが目の前には希望!喜びに打ち震えながら歩を進める。

まず欲しいのは……睡眠だ。


森を抜けた先は広い平原。樹の葉に隠れて見えなかった日の光が地面に降り注ぎ、さわやな匂いが鼻腔をくすぐる。森の中で血の匂いばかりであったので余計に匂いを感じる。

周りを見渡せば右側に道らしき一本の長い筋が見える。あちらに行けば現地の人と会えるだろう、そう思い歩を進める。


その途中にいい大きさの岩があり……昼寝をするにはもってこいの場所だろう。

この十日間で十分に休めなかった睡魔が、何よりもひどく襲い掛かってきていたので一度、睡眠をとることに脳内では満場一致での判決が下る。

現地人に会うのは…そんなもの二の次だ。

岩の上に寝転び直ぐに意識を手放し夢の世界へと旅立つ。




ガラガラガラガラガラッ!!



――――ええいっ!人が久々の睡眠もしている時になんだ!!!



睡眠を初めて二時間ほどたっただろうか。

これじゃあ今までよりは寝れたが全然足りない。


無理やり起こされ不機嫌になりながら目をそちらに向ければ、馬車が一台ものすごい勢いでこちらの森に向かってきている。よく言うキャリッジの型だろう。その後ろからは三人ばかりか騎士風の装いをし所々に矢などを受け傷を負っている方々が馬車を守るように追従している。

……くさい匂いしかしない。


案の定、その騎士風の後ろには十名ほどの盗賊らしき方々が迫ってきている。

その間にも馬車は疾走して行き……あっ馬車の馬の内一頭の足が折れた。


倒れる馬に馬車は、巻き込まれるように車輪が倒れる馬を轢く。

こちらまで聞こえるような肉がつぶれる音が辺りに響き馬の内臓が辺りにまき散らされる。

そして馬車は車輪が欠損し、コントロールを失い勢いよく横転し御者が投げ出される。


寝起きの頭でボーとしながらも状況を確認する。

『あれは倒していいのが後ろの盗賊だよな?んーあの倒れた馬車の方を助けた方が現地の人と接触が図りやすいかな……なんか流れは違うがザ・テンプレだな』


これで貴族様であれば……いや騎士がいる時点で、最低でも貴族以上の人物であることは伺える。

盗賊が追いつき騎士と戦闘が始まったのを確認し走り出す。



盗賊が騎士一人につき二人、隊長格だろうかには三人で襲い掛かっている。

さすが騎士である。何とか持ちこたえつつ転倒した馬車を救助しようとしている。

だが優勢なのは盗賊である。残った三人が馬車に近づいていく。


「―――――っ!」


騎士の隊長さんだろうか馬車に向かって叫んでいる。

すごい、三人さばきながら意識をまだ割けるなんてよほど実力があるのだろう。

まぁ俺もこの数日間で数十対一はしてきたが……完全にソロプレイである。




「盗賊さん。あなた方には申し訳ないけど手助けさせてもらいますね」




馬車に近づいていた盗賊に向かって、馬車を背にしながら話かける。

突如現れたからか戦場と化していたほぼすべての人から視線を浴びる。


「そんなに注目されたらてれるじゃないですかー」


笑顔で返すが盗賊含めみな驚いた顔をしている。


「―――――?――――!」

「―――――!!」

「――――――!」


『えっなに言ってるか分からないのだけど??』


盗賊たちが何か叫んでいるが言葉が全く分からない。

こいつら興奮しているんだろうか?


なにか叫びながら襲いかかってきたので対処を開始する。

……だが動きが遅い。相手の動きがスローモーションに感じる。

一人目は上段切りで振りかぶってくるが遅い。腕と顔もろとも横一閃し両断する。

二人目は大剣だろうか下段からの切り上げでくるので頭から一直線に振り下ろす。

三人目はその場で弓矢を飛ばしてきたので掴んでそのまま返してやる。スナップをつけて返したら勢い余って眼球を突き抜け中身をぶちまけながら後ろに飛んでいく。

その間ほんの数秒。

瞬く間に三人が瞬殺され青ざめる盗賊たち。その隙を見逃さない騎士たちによる反撃によりすぐに戦いに決着がついた。



やっと主人公以外の人間出せました!


あと昨日の夜あんかけ焼きそば作ってみたのですが

水が少なかったみたいで片栗粉の水入れたら半分近くになりました!!


もっと料理作るようにしなきゃだめですねー慣れですね慣れ

頑張ります!


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