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カオスリレー  作者: 灰色猫と琴音の二重奏
5/15

4 琴音

※感想省略

「どういうことだ?」

「さあ、どういうことだろうね」


 そう聞こえたとたん、立っていた場所に穴が開き、俺は落ちた。




「・・・ん、・いさ・、兄さん!」


 玲奈の声が聞こえた。


「起きてください! 兄さん!」


 どうやら俺は、どこかに寝ているようだ。


「うぅ」

「っ!! 兄さん! 先生! 兄さんが目を覚ましたみたいです!」


 俺が動くと、玲奈が慌てたように誰かを呼んだ。

 目を開けると、玲奈の顔と教室の天井が見えた。


「れ・・な・・・?」

「ああ、よかった。起きましたね」

「夢か・・・」

「? なにがですか?」


 どうやら、あれは夢だったらしい。

 まだ俺のなかには、中二的要素が残っているのか?

 そして、意識がはっきりしてくると、どうして俺がここにいるのか疑問に思った。

  場所の検討は大体つく。教室と同じような天井があるということは、保健室のベッドの上だろう。

 ただ、なにが起きたのかよくわからなかったので、玲奈に聞いた。


「私は兄さんが突然倒れたって連絡をもらい、ついたときにはもうここに兄さんが寝ていました。だから、詳しいことは私もまだなにも聞いていないんです」

「そうだったのか」


 俺が返事をすると、ほぼ同時に、カーテンの開く音がした。


「ああ、相原君。目を覚ましたか」

「先生、ありがとうございました」


 玲奈がそう言った。

 どうやら、先生が入ってきたようだ。

 俺は体を起こした。


「佐藤先生」

「よかった、よかった。佐々木先生から君が転んで意識を失ったって言う連絡を受けて、私もビックリしていたからね。頭も怪我をしていたし、大丈夫なのかと心配になっていたんだよ。今日は帰って病院で診てもらうといい」

「はい。ありがとうございます。ご心配をおかけしました」


 俺は頭を下げると、すこしだけ頭がズキリと痛んだ。

 痛んだところに手を伸ばそうとすると、


「ああ、そこは触らない方がいい。怪我をしていた場所だからね。応急処置だけはしてある」


 佐藤先生に止められた。

 その時だった。


「相原くん! 大丈夫!?」


 ここのドアが勢いよく開かれる音がした。

 声から推測すると、鵜方(うがた) 瑠奈(るな)先輩だろう。

 瑠奈先輩はここの生徒会長をやっている人で、大抵の時間は生徒会室にいる。

 なぜ知っているかと言うと、先生からの頼まれ事で、よく生徒会室に行くからだった。

 この人は優しい人で、よく他の生徒の相談事に乗ったりしている。そのため、みんなから慕われる良い生徒会長なのだ。

 ちなみに、この先輩は背が低く、容姿が小学生のように思えるほどだ。


「鵜方、保健室で大きな声を出すな。相原はここのベッドにいる」

「あ、佐藤先生。ありがとうございます」


 瑠奈先輩はそういうと、こっちに向かって歩いてきた。


「瑠奈先輩」

「相原くん、大丈夫?」

「はい。まだ少し痛みますが、大丈夫です」

「よかった~」

「ご心配をお掛け致しました」

「うん。本当に心配したよ~」


  ああ、先輩を見てると、ホッコリするなぁ~

 ニッコリと普通に立った状態で目の前で笑う先輩を見ると、心が軽くなるようだった。


「ロリコン?」


 玲奈が後ろからボソッとそう言った。

  失礼な! 俺はロリコンじゃない!

 そう反論したかったが、残念ながら、現状では無理だろう。


キーンコーンカーンコーン


 チャイムがなった。


「ほら、鵜方さん。早く戻らないと、授業が始まりますよ」

「はーい。じゃあ、相原くんまたね~。また生徒会室に来るんだよ?」

「はい。また行かせてもらいます」


 俺が返事をすると、瑠奈先輩はトテトテと走って自分の教室へ戻っていった。


「あれ? そういえば、玲奈は大丈夫なのか?」


 俺はまだここにいる玲奈が不思議になり、そう聞いてみた。


「兄さんが倒れたと聞いて、早退しましたよ。なので、今日はもう休みます」

「そうだったのか。改めて、ごめん」

「はい。これからは気を付けてくださいね?」

「ああ」


 その時、また、保健室のドアが開く音がした。

 なかに入ってきた人は、こっちに向かって歩いてきた。


「おお、相原、大丈夫か」


 そこにいたのは生徒会室にもいた佐々木先生だった。


「はい。大丈夫です」

「なら、よかった。それじゃあ私は職員室に戻るよ」

「ありがとうございました」


 佐々木先生は佐藤先生と二言三言話すと、保健室から出た。


「相原君はもう立てるかい?」

「はい。たぶん、立てると思います」

「立てるのなら、近くの病院まで送ろう。一度診察してもらいなさい。妹さんもそれでいいね?」

「はい。大丈夫です」

「少し待っていなさい。いろいろと用意してくるから」


 佐藤先生はそういうと、カーテンを閉めて立ち去った。


「兄さん、本当に大丈夫ですか?」

「ああ、大丈夫だよ。そんなに心配しなくてもいいのに。玲奈みたいに体が弱いとかじゃないんだしさ」

「心配します。それに、もう体は弱くないです」


 玲奈は少し、触れ腐れたように言った。

 そう。玲奈は小さい頃、体が弱かった。だが、小学校6年生になってから運動を始め、今ではテニス部のエースだった。

 最後の大会では優勝まで一歩届かなかったものの、それでも準優勝という素晴らしい成績を残していた。

こんにちは琴音です。

夢オチって便利ですね。そう思った今回でした。

さて、今回もこんな感じで繋げてみました。


次回の『灰色猫のクリストファー』さんはどのように繋げるのでしょう。

やっぱり強引に展開を変えるのでしょうか。

このままどちらも妥協することがないと、いたちごっこになりそうですねww

今後の展開に期待が高まる琴音でした。


それでは次は第6回でお会いしましょう。

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