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カオスリレー  作者: 灰色猫と琴音の二重奏
3/15

2 琴音

この伏線をぶち壊す! 琴音

「あぁ、あの世界を消してから、やっとここまでたどり着いた。だが、僕は本当に正しかったのだろうか」




 目が覚めると、みたこともない場所にいた。


「知らない天井だ」


 俺はそう呟いた。

 すると、


「君はまだ中二病を患っているのかい?」

「っ!! 誰だ!」


 急に声がして、大声で叫んでしまった。その時、体も起こそうとしたのだが、全く動かなかった。


「はじめまして。でいいのかな? 僕は…まあ、どんなふうに呼んでくれても構わないよ。それと、どんなものかと聞かれそうだから答えておくと、君たちの考えで言うと神に近いかな?」


 そんな声が聞こえてくると、目の前にぼんやりと人形のようなものが現れた。


「さて、僕は君を異世界に招待しようと思って来たんだ。なにぶん目覚めたばかりで、僕の世界もできたばかりなんだ。だから、色々な場所から僕の世界に来てくれるように頼んでいるんだけど、なかなか来てくれなくてね」

「へぇ。それで、俺に白羽の矢が立ったと」

「そういうこと。理解が早くて助かるよ。それで、どうかな? 君のことも悪いようにはしない。僕の世界に来てくれると嬉しいな」

「ま、なかなか面白そうだな」

「じゃあ!」


 自称神は嬉しそうな声でそう言った。


「だが断る!」

「えぇ!!」

「残念だったな。俺は今の平和でそこそこ充実している生活がかなり気に入ってるんだよ。だから行かない」


 俺はきっぱりとそう言った。


「はぁ。わかったよ。ま、そういう者も多いのは確かだけどね」

「あんたも納得したってことは、返してくれるのか?」

「うん」

「じゃあ、もう用はないから、早く返してくれ」

「わかった。君のこれからに幸あれ」


 そう言われたとたん、俺の意識はとぎれた。




「ふぅ。あれからかなり時間もたったけど、なかなか文明は進まないな」


 僕はあの少年を返した後、一人そう呟いていた。




 だんだんと意識がはっきりとしていく感覚があった。

  どうやら俺は起きたようだ。

 目を開けると、いつもの天井があった。首を動かして周りをみると、自分の部屋だった。


「兄さーん、朝ですよー」


 部屋の外から妹の玲奈(れな)の声が聞こえてくる。

 時計をみると、6時30分だった。

  そろそろ起きるか。


「わかった。今いくー」


 玲奈にそう返事をすると、ベッドから起き上がり、着替え始めた。

  今日も平和だ……。



 リビングに行くと、母さんと玲奈がキッチンで朝食の支度しており、父さんが机に座っていた。


「おはようございます」


 俺はそう言いながら朝食の支度を手伝うためキッチンへと向かった。



「兄さん、最近高校はどうですか?」


 登校中に玲奈にそう聞かれた。


「ああ、それなりに楽しんでるぞ」

「ならよかったです。それで、彼女はできたんですか?」

「んなものいないって。毎日毎日同じ質問ばっかり、よく飽きないな」

「だって、兄さんは家族以外とはあまり話さないくせして、人の世話ばかり焼いて、ルックスもそれなりにいいんですから」

「そんなことはない。世話を焼くというが、あれはどのみち誰かがやらなきゃならんことだろ? 自己満足で自分のためなんだよ」

「はぁ。これだから兄さんは…」


 玲奈がボソボソとなにかを言っていたが、よく聞こえなかった。


「あ、もうすぐ別れ道ですね」

「そうだな」


 玲奈は俺の1歳下で、まだ中学校に通っている。


「それでは兄さん、いってきます」

「ああ、いってらっしゃい」


 高校とは方角がおなじなので自然と途中まで一緒に行くようになっていた。



 玲奈と別れると、まっすぐ高校に向かった。

 途中で、友人の岩崎(いわさき) (しょう)を見つけた。


「おーい、翔ー」


 翔は振り向くと、俺に気がついたようだ。


「よう、おはよう。今日も早いな」

「玲奈と一緒に登校するようになってからはいつもだけどな」

「そういえば玲奈ちゃんって、生徒会やってるんだっけ?」

「ああ、毎朝仕事があって大変だよな」


 こんなことを話していると、いつの間にか高校の校門前に着いていた。


「じゃあ、俺は部室に顔を出してから行くから」

「わかった。また教室でな」


 俺は翔と別れて、自分の教室へと向かった。


 最近はいつものことなのだが、教室には誰もいなかった。


「借りた本も読み終わったし、図書室に行くか」


 俺は自分の席にバッグを置くと、借りていた本を取りだし、図書室に新しく本を借りに行く。

 その途中で、


「お、今日も早いじゃないか」

「先生、おはようございます」


 担任の鈴木先生に会った。


「本を持っているということは、また図書室か?」


 この先生は図書委員会の顧問でもあるので、よく図書室にいる。そのため、他の教師と比べると、よく話すのだ。


「はい。読み終わってしまったので、新しい本を借りにいこうかと」

「そうか。図書室に行くなら、ついでに運んでもらいたい物があるんだが? いいか?」

「はい、いいですよ」

「そりゃ助かる。生徒会室に置いてあるから、生徒会長にでも聞いてくれ」

「わかりました」


 ちなみに、生徒会室はここから図書室に向かう途中にあるため、生徒会室は図書室の蔵書の仮置き場となっていることがある。

はじめまして、琴音です。


リレー小説なので、相手の伏線をへし折り、新しい物語に変更する。ということをしてみました。

きっと、バトルやシリアスなものにしようと書いたのでしょうね。ですが、シリアスなものは苦手だったので、このような展開にさせていただきました。


次回の『灰色猫のクリストファー』さんはどのように進めるのか、私はワクワクしております。

主人公の名前はどうなるのか、生徒会室でなにか起こるのか、図書室でドキドキな出会いがあるのか

まさに想像が膨らみます。

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