や ば い
「ダリア・アイスウメェ。よくも、リアナにやばいことをしてくれたな」
やばいくらいやばい表情をした王子が、悪役令嬢を睨みつける。
横にはやばいくらい震えた、リアナ・ウドゥンオイスィの姿がある。
やばいくらいの人がやばいほどの視線を三人に送る中、そのやばいくらい一方的な断罪は進められた。
「やばいことなんて、私、致しておりませんわ。やばいほどリアナ様が王子に近づいていらっしゃるから、やばいことになる前にご忠告させていただいただけですの」
「それがやばかったといっている!」
「やばいだなんて!私、そんなにやばいことはしてませんわ!やばいほど婚約者のある王子に近づいていたのは、このやばいリアナ様です!」
しかしやばいくらいお熱な二人にダリアの言葉は届かなかった。
ダリアはこの二人の頭はやばい、と思い、ここにいても無駄だと、このやばい二人に背を向けて立ち去る。
「やばくなったら逃げるというのか、ダリア!」
「……王子、あなたの頭のやばさにはもうやばいと思いました。これ以上、私の人生をやばくするつもりはありません。やばい頭同士、仲良くなさってください。私は失礼させていただきます」
ダリアはさっさとやばい二人の前からさると、家に帰り、やばい速さで支度し始めた。
ここにいてはやばいだけだと、自領に帰ることにしたのだ。
アイスウメェ家はこの国で一番金と土地を持った貴族で、王家は援助を受けるためにダリアと王子の政略結婚を決めたのだったが、やばい頭の王子にはそれはやばいくらい理解できていなかった。
結果的に国はやばくなっていき、やばい王子とやばいヒロインは後悔したが、その頃にはもう国は無くなってしまったとか。
やばいくらい眠いから明日の学校やばい