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賢者の剣  作者: 陽山純樹
星の神を求める者

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推測の上に

「先ほど言いましたが、この組織のメンバーは五十人ほど。とはいえその全てに対処する必要性はありません。私達のことが露見しないよう立ち回る前提ですが、組織の上位メンバーだけを狙って対処すれば良いかと思います。問題は、上位に位置する人物なら、リーダーのノヴァという人物を含めて星神に由来する武具を保有している可能性は高いことかと」

「そうだな……いや、星神に由来する、というよりは星神の技術を利用した武具だな。古代で研究していた物を手にしているわけだが……」

「技術を模倣したりなどして、武具を得ている可能性は?」

「現時点ではどうとも言えないな……ただ、そういう事をしているなら噂くらいは流れてもおかしくないけど」


 密かに研究するにしても限界はあるだろう。三十年という期間組織が存続していることから、情報を保有している可能性はあるけど。


「リヴィナ王子に対し色々と策を要したことを踏まえると、精霊ウィスプの存在を含めて星神に対し核心的な情報を持っている可能性は高いと思うんだが……まあこの話、星神とやりとりしているという前提なら、考えるだけ無駄だな」

「仮にそうだとしても、私は情報を得ているとは思えませんが」

「根拠はあるか?」

「状況証拠、といったところですが……もし星神から直接詳しい情報を受けているとすれば、もうその時点で今回王子達に施した策など要する必要性はどこにもありません」


 それはそうだな。王子などとコネを作らずとも、組織だけでやればいいだけの話だ。それなら事が露見されぬまま、星神の復活まで持って行くことができるはず。


「けれど彼らは策を用意し、実行しました。それを踏まえると、彼らは星神そのものと接触しているにしろ、助言程度に留まっていると考えられます」

「助言……つまり、星神を地上に出すにはどうすればいいのか、ということを教えてもらっていると」

「はい」


 まあ、その辺りが推測としては妥当かな。


「過去、古代に星神が降臨した映像を見て思ったのですが、確かに星神が世界の崩壊に手を貸していたのは事実です。しかし、直接情報を教えるというのは……」

「むしろ最低限の情報だけ伝えて、後は放置ってスタンスだよな」

「はい。それが正解に近いかと思います」


 ……なぜ星神がそのくらいに干渉を留めておくのか。疑問ではあるが、人間の常識など通用しない相手だ。何かしら制約とか、ルールとかがあるのかもしれない。


「とりあえず一から十まで全ての情報を持っている可能性は低い……で、現状俺達のことは露見していないと考えていい。星神がこちらの動向を気づいているのかは不明だが、受動的な行動しかしないことを考慮すると、組織側が俺達のような存在がいると認知していないため、星神にそういう質問をすることはしない」


 もし組織側の人間が敵対勢力の存在について星神へ言及したなら、俺達のことがばれるかもしれないが……彼らは現在、計画したシナリオ通りに事が進んでいると考えているはず。だとすれば、俺達のような邪魔立てする存在などいないと考えるだろう。


「推測の上に推測を重ねているような状況だけど……まあ、敵の出方を考慮すればそういう風に解釈するのが良さそうだな」

「ですね」

「で、戦力としては星神の技術を有しているにしろ、俺達に対抗できるレベルではない……そうソフィアは思うのか?」

「油断はできませんが、私はそのように考えています」


 徹底して星神を倒すために研究を重ねる俺達に対し、敵は降臨のために着々と計画を進めているわけだが……さすがに戦闘に特化した技術ばかりを利用しているわけではないだろう。そう考えると、俺達にとっては有利かもしれない。


「俺達の技術が通用することを祈るしかないけど……俺としても不安はないかな」


 これまで準備を進めてきたという自負もあるし。


「じゃあ次の話に移るか……これからの動き方について。今までも散々話し合ってきたけど」

「調査をできるだけ進めた上で、どうするかを決めるしかありませんね」

「結局そこだよな……」


 肝心の調査はエメナ王女を始めとした王族側に色々やってもらっていたわけだが、さすがにそれだけでは限界がある。よって今から俺達もやろうってことなのだが、


「単純に情報を集めるだけでは、敵に見つかる可能性もある。星神のことに関わっている組織である以上、警戒心も強いだろうし。かといって組織に潜入しようというのも、リスクはあるな」

「ですが生の情報をつかむためにはそれがベストですよね」

「ソフィアはやる気なのか?」

「少なくとも私達の存在が露見しないように立ち回る必要性があります。誰にやらせるかなど人選を含め、潜入する人物の条件は厳しくなりますね」


 ……俺やソフィアは面が割れている可能性が高いので無理。ならば船でやってきたメンバーの誰か……それならおそらく大丈夫。

 無論潜入にはリスクもあるし……なおかつその人員は星神の技術に関してある程度情報を持っている必要がある。でなければ単に戦士として加入して終わりだ。よって、カティなど研究をしている人間が望ましいけど……星神対策も進めたいんだよな。それに、


「そもそも組織は遺跡を発見した場合に揃って行動するという形だ。敵の本拠とかがわかれば話は別だが、現状だと単に所属して終わりなんて可能性もある」

「そうなったらリスクだけを抱え込むことになりますね」

「まったくだ。何の情報も得られないまま俺達のことが露見するリスクだけ抱える……なんて展開にはしたくない。潜入するにしても入念な準備が必要だ」


 もっとも、その準備の時間が絶対的に足りないのだが……ここに来て時間という最大の障害が生まれた。星神が降臨するまでに、どれだけのことができるのか……今更ながら、色々と痛感し始めた。


「……仲間に相談するか?」

「この話し合い前に色々と聞きましたが、皆さん似たような意見でしたよ」

「答えのない話だからな……」


 そこまで言った時、俺はふと思いついた……リスクもあるが、リターンも十二分に存在する。強烈な一手を。

 だから、俺はソフィアへ向け問いかけた。


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