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賢者の剣  作者: 陽山純樹
真実の探求

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結集

「ガルクはどう思う?」


 俺は話を通信魔法を使用し会話をしているガルクへと向ける。すると、


『……我としては、一つ懸念があるのだが』

「懸念?」

『組織に精霊が所属しているのは間違いないのだな?』

「証言などを考えれば間違いないみたいだが……どうした?」

『精霊が星神の降臨に手を貸している……それ自体に危険要素が孕んでいる』

「危険要素というのは……」

『精霊ウィスプは歴史を記録し、さらに地底に居を構えていることから、リズファナ大陸において重要な存在だと言えるだろう。そうした者が星神の復活をもくろんでいるとなれば、十中八九何かしら秘策があるだろう』

「秘策か……」


 つまり、普通に組織を潰しても問題が残るかもしれないと。


『単純に組織を潰すのであれば、星神降臨が遠のく可能性は十分にあると我は思う。だが精霊がいるのなら話は別だ』

「つまり、単純に組織をどうにかするだけで話は収まらないと」

『我はそのように考える』

「うーん、面倒だな……そういうことなら、もう放置でいいのか?」

『いや、我は干渉すべきだと考える』


 ガルクはソフィア達に賛同ということか。


『相手の能力などをつぶさに確認すべきだと我は考える。とはいえ、想定しているやり方とは変えるべきだ』

「やり方を?」

『ルオン殿達は、組織をどのようにするか……つまり、その構成員をどうにかしようと考えているわけだな?』

「まあ、そうだな。ガルクは違うのか?」

『精霊からアプローチしてみるのはどうだろうか?』

「精霊から……つまり、組織に手を貸している精霊について調べるということか?」


 下手すると組織自体を調べるよりリスクがありそうだが……と考えていると、ガルクはさらに述べる。


『現段階で、組織関係者が我らのことを知っているとは思えない』

「そこはたぶん間違いないと思うぞ」

『であれば、こちらはアドバンテージを得ていることになる……無論、我らの存在が露見すればどう話が転ぶかわからないため、危険はあるが……』

「見つからないように調べるというのはできなくもないとは思うが……精霊が相手だからな……」

「私たちにも精霊の協力者がいるし、その力を借りるのもありかしら」


 と、リーゼが発言。それでもいいのだが……、


「ガルクの意見も尊重したいが……相手は星神の技術を持っている以上、下手に動けばバレないか?」

『可能性がゼロとは言えないが、そこは対策でどうともやれる』


 と、ガルクはいくつか策を提示した。それは星神対策に通じるもので、簡単に言えば星神由来の力に対し、その気配を隠すことができるようになるもの。


『いくつか開発したものがおそらく有効に働くだろう』

「なるほど、これなら……問題は、これがきちんと作動するかだけど」

『そこは我らを信用してもらえればと思うのだが……』


 まあそうだな……ここまでやってくれた以上、お膳立ては整っているか。


「わかった……で、具体的にはどう調べる? 人間の組織と同じように調べるのでは、さすがに尻尾をつかむことも難しいだろ?」

『精霊については、人間とどう関わりがあるのかを調べられる範囲で調べるのと、後は精霊が自体がおかしな動きをしていないかだな』

「おかしな……例えば?」

『人間と精霊が連携して動いているのか、個々に好き勝手やっているのか、だな。精霊の動きが変であれば、その辺りの事情を推察できるかもしれん……それで、だ。我が特に重要だと考えているのは組織と精霊……どちらが星神降臨を言い出したか、だ。組織の歴史は古いようだが、それが精霊由来であれば……あるいは、精霊が人間と関係を持つために組織を作り上げたのだとしたら、話が違ってくるだろう?』

「確かに……ただそういう経緯を含めると、人間側から調べるというのもアプローチとしてはありか?」

「なら、どうするのかしら?」


 リーゼからの問い。現状、ガルクは精霊に重点を置くと提案し、俺達は悩んでいるわけだが、


「……何はともあれ、組織の構成員が今どうしているのかを調べないことには始まらないな。エメナ王女達の調査も絡めて、見つけ出したいところだ」

「ある程度詳細がわかったところで、動くということかしら?」

「ああ、そういう解釈で構わない」


 そう告げた後、俺はガルクへ提案する。


「それとガルク、一つ意見なんだが――」

『何が言いたいのかはわかる。つまり、我らもリズファナ大陸へ……ということだな?』

「その方が作業がはかどると思ってさ……もちろん、人間なら話はひどく単純だが、精霊ともなったら事情は違うよな?」

『我らはあくまでシェルジア大陸に棲まう存在だ。本来ならば、動くべきではないが……今それが必要とされているのであれば、動くとしよう』


 できる、ということか……こちらが沈黙していると、さらにガルクは発言した。


『これを機会に、組織の人員をリズファナ大陸へ送るのもありかもしれんぞ』

「全員を、ってことか? それはつまり――」

『天使や竜を含め、すべてだな』


 ……もしそれをするのであれば、時期は早いほうがいい。半年という時間制限を考えれば、今から移動作業をしなければ、決戦までに間に合わないなんてオチだってあるかもしれない。


『とはいえ、だ。移動させるということはその間は研究も止まる。移動した後に急ピッチで作業を進めればいいだけの話であることに加え、現状であればそちらに人員を向かわせた方が効率はよさそうだが』

「……どちらにせよ、決戦の際は組織人員をこっちに向かわせる予定だったんだ」


 と、俺は一つ呟いてから、


「拠点はどうする? さすがにフォルナに頼り切るのもまずいだろ」

「人員の数などを考えると、お世話になり続けるのは困難ですね」


 と、ソフィアが言う。なら、


「ここはエメナ王女と話をするしかないか……とはいえこれはすぐに、だな」

「ルオン様、移動を開始するということでいいんですか?」


 ソフィアの最終確認。俺が決断したら、間違いなく動き出す。そして俺は、


「ああ……決戦の地であるリズファナ大陸。そこに、組織の人員……ガルクや天使などを含め、移動させることにしよう」

『決まりだな』


 最終決戦の準備が進んでいく……異国の地で、俺達はとうとう世界を救う戦いを本格化させようとしていた――


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