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賢者の剣  作者: 陽山純樹
真実の探求

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経済発展

 俺達が城を来訪した夜、懇談会という名目でパーティーが開かれた。そこには貴族達も多数いて、ソフィアやリーゼと代わる代わる話をする。


 一方で俺の方にはあまり干渉してこなかった……英雄ということで興味を示す人もいるにはいたけど、それはどちらかというと少数派。貴族達はもっぱら王女二人に加えて政府高官と話をしている。つまり政治的……あるいはビジネスの話というわけだ。この場でバールクス王国の大物と顔を合わせて、貿易などに一枚噛みたいということ。

 こちらは友好的にしたいし、何よりバールクス王国の代表者としてやって来たソフィアはそうした事柄も目的の一つである。よって多くの人に囲まれて話をするわけだが……表情一つ変えず対応する姿は、感服する他なかった。


「ソフィアもリーゼもすごいよな……」

「ルオンだっていずれああいうことになるんでしょ?」


 ユノーが面白おかしく告げる。ちなみに会場内では女性はもちろんドレス姿だし、俺も士官服のようなものを着ている。で、小さいユノーについても事前に用意してあったので、淡い水色のドレス姿であった。

 余談だが、向こう側は小さな天使が来るとして、色々とそれらしいドレスなんかを用意していた……興味を示していたわけだが、俺と一緒にいるためか彼女の近くにあんまり寄ってこない感じである。


「……まあ、そうだな」


 で、ユノーに淡泊な返事をすると、


「慣れないといけないんじゃないの?」

「その必要性もあるけど……ま、とりあえず今はソフィア達の姿を見て、心構えをするくらいにしておくよ」

「そう……なんか、ルオンの所にあんまり来ないよね」

「最初から俺はオマケみたいな感じで扱われていたからな。何かしら政治的な権力を持っていない俺と話をしても益はない……あるいは、ソフィア達と顔を合わせるのを優先しているってことだろ」


 クローディウス王なんかが、配慮をしてくれたのかもしれない。この辺りは感謝だな。


「ユノー、こっちにいてもつまらないだろうから、どこかへ行ってもいいぞ。連絡する必要性もないし」

「いやあ、なんとなくこの場を離れたらもみくちゃになりそうな気がして……」


 騒ぐのが結構好きな彼女ではあるが、さすがに色んな人に言い寄られてワーワー言われるのは嫌か。


「でも、いいのか? 俺と一緒に楽しめているのか?」

「別にルオンが気を遣う必要はないんじゃないの?」

「そうだけど……」


 よくよく見ると、フィリ他、組織の面々は固まって色々と話をしている。なんだか俺だけのけ者にされているような感じになっているけど、作戦上、仲間と固まって誰にも話し掛けられず終わる、というのは避けたいって俺が事前に言ってあるからな……別にあっちに行きたいわけではないぞ。

 まあ、ソフィア達との話が一段落したら、こちらに来る人間もいるだろう。精々覚悟しておこう……と思いつつ、視線を変える。バルコニーが目に入った。


 内と外を隔てるガラス製の扉は開かれており、心地よい風が入ってくる。俺はなんとなくそちらへ足を向けた。外の景色は……明るい月が夜空を照らし、城の外周部に存在する木々が結構くっきりと見える。そこから城壁の向こうに町並みが一応見える。ただ今回パーティーが行われたこの場所は高層階というわけでもないので、大半は壁しか見えないのだが。


「穏やかだねー」


 ユノーが感想を漏らす。これが単なる大陸間の交流なら、ユノーの語ったような気持ちでパーティーに参加できるわけだが、あいにく目的がある……それも、重大な。

 それに、このリズファナ大陸で動乱が巻き起こることは確定していると考えていいわけで……事前にその辺りのことを進言するべきか、考慮したこともあった。けれど忠告するにしても抽象的な表現になるしかないので信憑性が疑われることと、何よりなぜそんなことを知っているのかと尋ねられたら、こちらは答えようがないので断念した。


 俺の転生した事実を含め説明すれば……というのは、星神に関わっている人物が誰なのか不明であるため、危険だと判断した。王女が誘拐されそうになる、という事実から王族を害する者と解釈することも可能ではあるが、例えば……可能性は低いけれど、王様とかが首謀者である可能性も否定はできない。そうであったならお家騒動が物語に絡んでくることになる……まあ星神は俺達の動向に気付いているし、もしかすると俺達が星神と戦ったなんて情報が事件の首謀者には既に伝わっているかもしれない……その他諸々の懸念を含め、どうすべきか散々話し合ったのだが、結局対症療法という形になった。


 つまり、問題が生じたら、俺達が上手く介入して犠牲者をゼロにする……できるのか不安ではあるが、俺達としてはそのくらいしかやれることはない。

 もう少し明瞭な情報を手に入れていれば、もっと良い結論を導き出せたのかもしれないが……空を見上げなんだかネガティブになっている時、後方から足音が。


 振り向く。そこにいたのは礼服を身にまとう騎士ジュファだった。


「疲れましたか?」

「……風が心地よくて、当たっていただけですよ」


 笑みで応じる。すると彼は俺の横にやって来た。


「町の喧噪は聞こえてきませんが、夜になってもまだまだ人の往来はあります。深夜になればさすがに少ないですが……夜こそ本格的に店を開け始める通りもあります」

「……明かりはどうしているんですか?」


 夜に店を営業するとなれば、色々と物資も必要だ。火を扱わない場合は魔法の明かりが必要になるけど、絶えず魔力を供給する必要性があるので、結局魔石とか、資材がいる。


「近年、新たに発見された特殊な魔石があるんです。それについて、王女達へ売り込みを掛ける人もいるようですね」

「特殊な魔石?」

「元来この大陸に存在していたのですが、長らく価値を見いだせなかった物。それを上手く活用できる術を発見したというわけです」


 技術的発展、ってことか……さすがに前世における電気とかのような便利なのかはわからないけど、技術により経済発展を続けているようだ。


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