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賢者の剣  作者: 陽山純樹
星神の使徒

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星神に対する考察

 さて、アナスタシアの助言を受けて俺は情報のとりまとめを行うことになったのだが……今まで幾度か情報を整理したことはあるのだが断片的で確信に欠けるのは間違いなかった。

 加え、星神という具体的な存在を知った後では忙しくて情報を整理する暇はなかったからな……星神の使徒を討つための手法については考案した。予想よりも時間を作ることはできたし、やっておいて損はない。


 場所は会議室。といっても小規模のもので、机を囲うようにして立って会話するような形。メモ代わりにテーブルの上には紙を置いて準備完了。

 そして集まったのは俺とソフィア、それにリチャルも混ざる。三人が人間代表で次にガルク。といっても本体は作業しており子ガルクだ。

 加え天使の代表としてデヴァルスと幻獣の代表者であるジン。加え竜の代表者のアナスタシアに加え、魔族代表としては、


「面白そうだな」

「……エーメルに話をしても意味がないような気もするんだけど」


 そう、エーメルである。これは彼女が興味本位で首を突っ込んだ、ということらしい。


「ま、いいんじゃないか? ルオンさんの組織に魔族の代表者という形で参戦しているわけだし」


 デヴァルスがフォローを入れる。そうかなあ……。


「それに、だ。彼女は色々トラブルメーカーな面もあるようだが、口は固いようだからな」

「わかってるじゃないか、天界の大将」


 面白そうにエーメルは呟く。この場で剣を抜いて挑みそうな雰囲気だけど……それより先に最後の参加者について目を向ける。それは、


「そちらも興味本位か?」

「そんなところかしら。そもそも私だって研究していた立場だし、いても不思議じゃないでしょう?」


 アンヴェレートである。彼女の肩には天使のユノーも乗っている。

 ま、今回話す内容の面子としては十分過ぎるほどか……というわけで、口を開く。


「では、話し合いを始めるぞ。現段階で星神についてわかっていることをまとめる。これまで断片的に色々と推測していたわけだけど、星神という明確な存在だと認識して以降は、差し迫った状況だったためにゆっくり考える時間もなかった。よって、ここで多少なりともまとめたい」

『星神という存在を目の当たりにしたことがあるのは、現時点でルオン殿だけだ』


 ガルクが発言。俺は即座に首肯し、


「ネフメイザとの戦いの中で入り込んだ地底で一度目……そこからネフメイザを倒した時、さらに堕天使との戦いでアランと最後に顔を合わせた時。最後に星神の使徒が出る前……ただ、ネフメイザを倒した時は様子が違っていた」

「ルオンさんとしても色々推測しているとは思うが、改めてまとめてみよう」


 そうデヴァルスは語ると、テーブルの紙にメモを取り始める。


「星神という存在は地底に眠る力……ただ、巨大な魔力の塊であり生物のような類いではない。そして星神が表に出始めたのは……地上にいる者が干渉したから、と考えることができる」


 ネフメイザが代表格だが、それよりも先にリチャルが時を巻き戻していた……彼らの行動により、星神に干渉すれば時空すら歪めることが可能だとわかった。


「星神が時間そのものを逆行させることができるのかは不明だが……少なくとも、星神の意思によって実行することはない、と現時点では推測できる」

「実際、使徒の誕生についても星神を信奉していた幻獣が干渉したから、だしな」

「そうだ」


 俺の指摘にデヴァルスは肯定。


「手出しをしなければ、大丈夫……と言いたいところだが、ルオンさんの知識によれば、そう遠くない未来にこの世界は崩壊する……それはおそらく、星神の力によるものだろう」

「世界全体が無茶苦茶になる、というのは巨大なエネルギーが必要だ……それができるだけの力が、あの星神にはある」


 断言。この場にいる者達全員は険しい顔をする。


「その詳細を知っていれば良かったんだけど、残念ながら俺の知識の外だ。ただ、そうした崩壊が起こるまでに大きな出来事が存在する。それについては俺も調べているし、その出来事が始まる兆候にはない」

「まだ時間はあると」

「ああ。だからこそ間に合わせるために組織を設立した……と、状況については以上だな。現段階で使徒を討てば、俺達の目的達成に一歩前進することになる」

「……仮の話ですが」


 と、ソフィアは口元に手を当て言及する。


「ルオン様が懸念しているその出来事……それを止めることができたのなら、星神による崩壊はなくなるのでしょうか?」

「出来事の質にもよるな。何がきっかけで起こるのかはわかっているからそれについて調査しているわけだが、どういう経緯で崩壊の未来に至るのか……それについてはわからない。例えば一介の魔術師が星神の力を使おうとして暴走……とかなら、止める手立てはある。けれど、何かをきっかけにして意図せず星神に触れてしまった……というものであるなら、こちらとしては止められないかもしれない」

「何者かの手によって干渉し、崩壊が起こるのは間違いなさそうだけど」


 今度はアンヴェレートが口を開く。


「大前提として、星神は魔法などによって干渉を受けた存在に力を貸す。ネフメイザという存在のように。けれど、自ら動こうとはしない……もちろん攻撃を受けたら反撃するけどね。幻獣達は星神について危惧し動こうとしていたわけだけど、それよりも先に何者か……人間か精霊か天使か。誰かによってもたらされるのは間違いないわ。ただルオンさんの言う通り、不可抗力なんて可能性もあるから、未然に防ぐというのは不確定要素が強いし、オススメはしないわ」


 うん、ここまではいい……と、ここでガルクが声を出す。


『星神については色々と疑問もある。ルオン殿のことだ。以前魔力の質について調査したが……どうも、関係性があるようにも見受けられる』

「それについて可能性は二つだ」


 と、ここで語ったのはジン。


「色々と推測したが……質的に星神と縁がありそう、ってことならルオンさんは星神によってこの世界に連れてこられた、と解釈できてもおかしくない」

「そうだな。魔力を検査した時、俺とリチャルはそういう見解に至った」

「けれど、もう一つ可能性がある」


 明言するジン。一体何を語るつもりなのか……言葉を待っていると、やがてジンは口火を切った。


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