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賢者の剣  作者: 陽山純樹
精霊世界

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戦士の成長

 やがて俺達は、居城を見ることのできる場所に到達する。エイナ達は見たことがあるためか、さして反応はない。だが、


「これは……」


 アルト達は驚き城を眺める……事前に情報を聞いていたソフィアも驚いた表情を見せる。

 城の色は黒。城壁も無ければ重厚感はない。言ってみれば、天へと伸びるような大きな塔、とでもいえばいいのだろうか。


 そして遠目からもわかるのだが、居城を守るようにして多数の魔物がいる。あれを突破しない限りは入るのは難しそうだ。


「魔物を倒しても、城の周囲から湧き続けることができる場合……苦しい戦いとなるでしょう」


 エイナが述べる。表情は厳しいが、覚悟はできているようだ。

 ここでリリシャが騎士達に前進するよう呼び掛ける。城の正面は平原であるため、城に突入するには魔物を撃破して押し通るしかない。


「怪我だけはしないように」


 エイナが俺達へ言う。まあこれは前哨戦とも言える戦い。こんなところで負傷していては居城の中で足手まといになるだろうな。

 リリシャを先頭にして騎士達が進む。すると魔物達も反応を見せ、動き出す。


 さらに平原の左右から魔物の影が……城の周囲から湧くかどうかはわからないが、少なくとも現状は呼び戻しているようだ。


「俺達はどう動けばいい?」


 アルトが大剣を握り締め問う。それにエイナは一度視線を送り、


「仲間の方々と共に連携し、対応を」

「騎士達との連携はいいのか?」

「できればそのような形が理想ですが、訓練もしていないのに難しいでしょう」

「だろうな」

「なので、そういう形に……ソフィア様は――」

「私も同じです。ここはルオン様やエイナと共に」


 彼女はこちらに視線を投げる。俺は即座に頷いた。


 エイナの動きについては以前関わった時確認しているが、あの時と比べて成長しているだろうし、すんなり連携するのも難しいだろう。ま、ここは出たとこ勝負だな。

 考える間に魔物達が近づいてくる。騎士達が戦闘態勢に入り、そして俺達も武器を構え――戦いが始まった。






 改めて分析すると、魔物の強さは五大魔族三体目に到達した時とほぼ同じ。ゲームで言うとシナリオ中盤から後半にかけて出てくるような敵ばかり。現在のソフィアのレベルからすると十分対抗できる、というよりむしろソフィアの力の方が高いといった感じで、迎撃はそう難しくない。


 他の仲間はどうか……援護をしている間に、アルトの剣戟が炸裂する。


「消えちまえ!」


 漆黒の髑髏……『ダークスケルトン』相手にアルトが放ったのは大剣中級技の『グランドカノン』。刺突と共に爆発的な衝撃波を敵に浴びせる技で、攻撃範囲も広く使いやすい技の一つ。


 ダークスケルトンに直撃すると、吹き飛びさらに他の魔物を巻き込む。そこへイグノスが魔法で援護を行う。放つ魔法は風属性中級魔法の『ドラゴンクロー』。爪を模したような鋭い風の刃が魔物の体に直撃し、撃破する。


 神官であるイグノスが使用する魔法は『神聖魔法』であり、威力なども『精霊魔法』などと比べれば劣るのは間違いない。しかし戦いの中で魔力が成長し、今回の敵には十分な威力を出すことができている。


 加え、アルトとの連携も見事。そうした評価はエイナも同様だったらしく、感嘆の声を紡いだ。


「見事です」

「どうも」


 アルトが返答した直後、エイナは目前に迫る魔物に斬りかかる。


 赤い鎧、炎をまとった剣を握る鎧だけの存在。首なし鎧のデュラハン系統に属する魔物で名は『ヘルファイア』。シナリオ中盤以降登場し、バランスの良い能力に苦しめられる。


 その魔物に対しエイナが放ったのは、光属性魔導中級技の『エンジェルブラスト』。連撃と共に光を拡散する技で、ヘルファイアの弱点属性でもある――攻撃をまともに食らった魔物は、大きなダメージを受けたか動きが止まる。


 そこへ追撃を仕掛けるエイナ。次に放ったのは通常攻撃だったが、その威力は十分で魔物を撃破した。

 エイナの能力も高い。特にヘルファイアを単独で撃破できるとなると、アルト達よりも能力が高いかもしれない。


 さらに、ここでキャルンが動く。左右の手に短剣を握り、向かっていくその先にいるのは、青い毛並みを持ち狼を一回り大きくした『ブルーハウリング』という名の魔物。咆哮を放つことにより一時動きを止めてくる魔物なのだが――彼女は果敢に真っ直ぐ仕掛ける。


 先にブルーハウリングが爪を放つ。けれどキャルンは横に逃れ避ける。紙一重という言葉が似合うほどギリギリの回避だったのだが、突撃の勢いを殺さないように動いた結果なのだろうと、俺は理解する。


 そうして間合いを詰めた彼女が放ったのは、二本の短剣を活用した乱舞。一太刀一太刀に魔力が備わっているのか、彼女が振る度に光の粒子が周囲に舞う。


 それにより魔物は大きくたじろぎ――これは、もしや、


「ルオン殿は理解されたようで」


 近くにいたイグノスが声を発した。


「師匠から相当無茶な修行をされたそう。けれど、そのおかげで彼女はアルトと並ぶほどの攻撃能力を手に入れた」


 ――キャルンの技は短剣汎用上級技の『ファランクス』で、突撃と共に連撃を繰り出す短剣の中で攻撃力の高い技の一つ。


 なるほど、上級技を駆使することができるようになるくらいに技を磨きあげたということか……驚愕する間に、彼女は単独でブルーハウリングを撃破する。


 そしてイグノスはアルトとの連携だけでなく、戦況を見て的確に味方を援護している。使用するのは基本下級魔法だが、場の状況に合わせて対応するため、非常に動きもいい。


 次に、ソフィアが視界に入る。相対するのはアルトも戦ったダークスケルトン。エイナは彼女に対し声を上げるが、俺はまったく心配していなかった。


「――雷光よ」


 言葉と共にソフィアは『ライトニング』を放ちダークスケルトンにダメージを与える。そこから流れるように間合いを詰め、魔導下級技の『疾風剣』で確実に仕留める。


 剣を中心に据えるという戦法は変わっていないが、四大精霊と契約したことにより魔法の威力が向上。さらに魔導技の威力も上がり、彼女はそちらがメインになろうとしている。まあこれは四精霊を同時に扱う手法を考えると至極当然と言える。


 続けざまに襲い掛かって来た悪魔に対し、ソフィアは水属性魔導下級技『水流剣』で応じる。斬撃と共に悪魔を吹き飛ばし距離を置き――そこへエイナの援護が。光を収束させた斬撃により、見事撃破した。


「お見事です、ソフィア様」

「エイナも、ありがとう」


 ソフィアが礼の言葉を述べた時、俺が動く。後方から突撃を仕掛けようとする魔物に対し『ホーリーランス』を放って消し飛ばす。

 加減はしているのだが、それでも魔法の威力は十分。攻撃を見ていたアルトは「さすが」と声を上げつつ、目前の魔物を撃破する。


 俺達のレベルは十分――しかし、前方で戦う騎士達は少々苦戦している様子だった。

 このまま前線に回り込んで援護しようか……思案していると、エイナが発言する。


「魔物を撃破しつつ、前線に」

「いいのか?」


 アルトの問い掛け。それにエイナは小さく頷く。


「ええ。リリシャと合流しましょう」


 ――彼女に接近し、どう動くか判断するつもりのようだ。アルトも異存はないようで頷く。


 よって俺達は魔物を撃破しつつ前線へ。戦う間にアルト達とも少しずつ連携できるようになり、魔物を撃破する速度がさらに増す。

 それほど経たずして前線に到着。リリシャが陣頭に立ち対応する中、俺達は彼女や騎士と共に魔物へ攻撃を開始した。


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