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賢者の剣  作者: 陽山純樹
世界を救う者

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今一度

 話し合いと拠点の作成……敵についても時間が経つにつれさらに情報が詳しくなっていく。そうして得られたのは、今まで発見できていなかった星神の力を得た人間……そうした者達が、相手であるということ。

 正直、これまで使徒などと戦ってきた俺達からすれば力不足なのではと思うところなのだが……それをガルクが否定した。


『場合によっては、厄介な相手かもしれん』

「それは、何か根拠があるのか?」

『観測した星神の力。個々の能力はそれほど大きくないが、どうやらこちらへ攻撃を仕掛けようとしている者達全員が、同じくらいの力を保有しているようだ』

「一人が強いというわけではなく、全員が均一に強いパターンってことか」

『こういう場合、厄介なのは頭目を倒したからといって解決しない点だ。星神との決戦において邪魔立てされたくなければ、全てを倒しきる必要性がある』

「かなり面倒だな……まあ、星神としてはこちらに嫌がらせをするのが目的なんだ。やり方は色々と変えてくるか」

『そうだな』

「とはいえ、だ。さすがに平行世界の者達……あれも相当強かったけど、超えてくるような力を持っている人間はいないんじゃないか?」

『遠方から観測した限り、ルオン殿が戦った平行世界の王女……それと比べれば弱いのは間違いない。ただ、単純に力が強い、というわけではないかもしれん』

「特殊能力持ち、ってことか」


 特化して何かしら技能を持っているのなら、確かに俺達に対抗できる可能性はある。なおかつ星神はこちらの手の内を可能な限り暴きたい。となったら、必然的に正攻法ではなく搦め手を用いてくるはずで、ガルクの言うとおり特殊能力、みたいな形で星神の力を得ている可能性はある。


『我もさすがに相手の能力までは看破できないからな……』

「そこは戦ってみて判断するしかないな……ガルク、三ヶ所目の拠点とかはやっぱりないか?」

『現時点では。もしそれがあるとしたら……攻撃を仕掛けてくるのは、ルオン殿達が出陣してから、ということになるだろうな』


 地中や空まで調べたが、出てこないとなれば……うーん、やれるだけのことはガルク達がやっているので、ここは踏ん切りを付けるしかなさそうだ。


「防衛についてはデヴァルスに任せてあるからいいとして……問題はソフィアが出るかどうか」


 指揮官は俺とリーゼだけど……ソフィアがいるならリーゼと交代させるべきだろうか?


『ここへ来てからの戦いを見る限り、リーゼ王女が指揮官で問題ないだろう』


 と、ガルクはそう告げた。


『平行世界の者達のように、賢者の血筋と同質の力は認められないため、ソフィア王女達も動ける……そこでソフィア王女はルオン殿と組ませる方がいいだろう』

「俺とソフィアが一緒というのは、戦力が偏らないか?」

『分散させる意味合いもない。決戦に備えて今一度王女と連携の確認をするべきだ』


 ああ、まあ。確かに言われてみれば……。


『ルオン殿側は、ルオン殿自身が指揮をするパターンもあるが、星神との戦いでは前線に出るケースが多いため、状況に応じてソフィア王女が指揮をする、というやり方もできるし、あるいはもう一人の血筋に任せるのでもいい』

「もう一人?」

「騎士エイナだ」

「……彼女はさすがにソフィアについてくるよな」

『他の血筋……残る四人はリーゼ王女側に回ってもらえればいい』

「加えてロミルダなんかも……ってところか」

『うむ、ルオン殿とソフィア王女の二人によって戦力に隔たりはできるが、他の者達も相当強くなっている。戦力の傾け方次第で、差は埋められるはずだ』


 その言葉に俺は頷く……うん、攻撃する直前でもう一度人選を行い、ガルクの言う形にしよう。

 そして俺は、休もうかと自分の天幕へ戻ることにする……深夜まで話し合いは続いたし、戦ってはいないにしろ疲労だってあるはずだ。


 築城なんて作業をしたことにより、天使達だって多少なりとも疲労が……などと思っていたら、昼間と同様に忙しなく働く天使を見て、俺は目を丸くした。


「どうした?」


 と、そんな様子を見つけたデヴァルスが話し掛けてくる。


「激論が続いたようだし、明日の戦いに備えて眠るべきだろ?」

「いや……配下の天使達は大丈夫なのか?」

「ああ、このくらいは」


 ……魔法とかで体力とかを維持しているのか。


「こちらは心配いらない。防備についても絶対……と言うことはできないにしろ、神霊達と手を組んで対処はできる」

「……わかった。拠点の防衛はデヴァルスに任せたよ」


 彼は俺の言葉に力強く頷く……そして俺は、明日の戦いに備えて休むことにしたのだった。



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