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5話目。オープン・ザ・ネーム。
「とにかく、魔法陣を描いて勇者を連れて来てもらいたい。期間は一週間。」
ふと頭の中で思ってしまった。厄介事に巻き込まれた。
もちろんルビの方がメインだ。
「魔法陣の書き方と勇者の住所、特徴は、メモして一緒に送っておくから、覚えなくても大丈夫。向こうでは分身を作っておくから自由に行動してかまわないよ。」
サポートは万全のようだ。
「因みに、向こうでも食事と睡眠の必要はないけど、一人7万円ずつ渡しておくよ。野宿とか徹夜とか、心理的にきついと思うからね。」
意外に良いとこあるもんだね。
「ところで、自分の本当の名前、知りたくない?」
もちろん知りたい。
サトルが半分に折られた紙を配った。それぞれ色が違う。私のは緑色だ。
他の人達が開いてなかを見た。へぇ~、とか、あぁ~、とか、各々似たような反応を見せている。
さて、私の名前は………?あれ?いやいや。
目を疑った。
私は目を擦ったがそこに書いてある文字は変わらない。
私の名前は━━━━━━