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4話目。自分勝手な神様だ。
どうせここに残っても厄介ごとに巻き込まれるんだろう。それなら帰った方がまだましなのだろう。他の6人もそういう考えに至ったらしく、扉に近づい―――
「ちょちょちょちょちょっと待ってよ~。そんなあっさり帰られると寂しいよ~。」
じゃあ何で帰ってもいいよなんて言ったんだ…。
「帰る前に少しだけ話を聞いてくれない?」
「・・・・・・・。」
何も言わず扉へと進む。
慌ててサトルが扉の前に立ちはだかる。
「勇者をこっちの世界に送るとき、手伝いをして欲しいんだ。私が直接こっちの世界に送ると、勇者としての能力、所謂チートのことなんだけど、それが付けられないんだ。」
じゃあ何をすればいいんだ?
「君たちには勇者を召喚する“魔法陣”を書いてもらいたい。」
「ちょっと待て。」
この人は…確か赤ドラゴンの人だっけ。
「あんた神様なんだろ、勇者を連れて来なくても自分でなんとかすればいいんじゃないのか?」
「まあできないことはないけど、面倒だし。」
「!」
「疲れるし。」
「!!」
「小説のネタにするつもりだし。」
神様が小説かい。