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三話


ベッドに向かうと

女の子がベッドから起き上がった所だった


なるべく驚かせないように慎重に声をかける



「大丈夫?君の名前は?…っても…言葉なんて分からないか。」



何せ金髪碧眼の女の子だ、言葉が通じるか怪しい


あいにく英語の成績は悪い

通知表も2だったし


英語での挨拶を思い出していると



そんな心配は必要なかったみたいだ


女の子は最初は何か分からない言葉を話して居たが、


何故かは分からないが

次第にその言葉の意味がわかると

言うより理解できて来た


頭にすんなりと入り込んでくる感じだ

不思議な感覚だな



「…tja…ja…ぁ、あの、、聞いてます?わたしの話?…」



おっと

返事を忘れていて不思議がられてしまったみたいだ



「ごめん。聞き逃しちゃったからもう一度良いかな?」



そういうと女の子はさして嫌やがる様子もなくよく響く綺麗な声で話し始めた



「次はしっかり聞いててくださいね。

わたしの名前はアイリーン・オル・バルティシェル


年は17歳…次は私の質問も良いかしら

あなたはだれ?

なぜ私は部屋に?」



これはまずい



この子の名前は分かったけれど不審者かどうか怪しまれているぞ…


なんとか誤解を解かないと



「宜しく、アイリーン…さん

自分の名前は奈々宮 芽依、

気軽にメイって呼んでくれ。

年は16、アイリーンさんの方が歳上なんだね。」



アイリーンはそこで口をホッとしたように開いた



「どうやら不審者じゃないみたいね、よろしくメイ。

わたしの事は気軽にアイリって呼んでいいわよ。


…で、なんであなたはこの部屋に居るの?」



ここであの地下室の事を言っても良いのだろうか


悩んでいるとアイリが首をかしげて待っている。ここで隠してもいずれ分かってしまうだろう



「分かった。宜しくね。

アイリ

その事なんだけど…

君が地下室で倒れていたからここまで運んだんだよ。」



そこまで言った所でアイリの表情が少し変わった



「…まず、ここまで運んでくれてありがとう


確かにあのままだったらわたしは死んでいたかもしれないわ。

…でも、メイは何故地下室に?」



アイリはすこしめを細めて何かを疑う様な視線をメイに向かわせた…


そんな事には気がつかなかった

メイだが…


頭は今、高速に回転していた。


そうだ。


それが分からない。


気がついたら地下室に居ましたと言ったところで、


はたして信じてもらえるだろうか


だが、あの地下室もおかしかった。


床に描かれた血で描かれた羅列した文字の魔方陣、


あれが無意味だとはどうしても思えない…


メイは駄目元で言ってみる事にした



「自分は気がついたら地下室に居たんだ。」



その時完全にアイリの表情が変わった



「やっぱりあの魔法陣は発動したの

ねっ!…


でも姉さん姉達は……でも、でも、


メイ…君が…」



ー魔法陣ー



ー召喚ー



現実ではなく

ゲームの世界で馴染み深い言葉だ…


だがなんでその言葉が?


アイリはメイの両肩を掴みながら

透き通るような蒼い瞳で茶色い瞳を見つめてくる。


まるで待ちわびたかのような…


それは姉達の死よりも大事な事なのか?



やはりあの死体はアイリの姉達

だったのか!?



なぜ地下室に…くそ。分からない事がおおすぎる!


思考がループする



って、まてよ



「アイリ、待っていたって?魔法陣で何を召喚したんだ?」



その答えは予想通り、最悪なものだった。



「えぇ説明するわ、

メイ、あなたを召喚したの。」



おいおい、


昔良くあるファンタジー物のゲームを何本かやった事があった


その中には確かに主人公が魔法陣で異世界に召喚される、


という設定もあった


それで帰る方法を探しながら仲間と冒険するんだ


だがそういうのは一貫して……異世界に召喚される


まぁ当たり前の事だが



だって普通に考えて召喚先が隣の国とかだったらおかしいだろう


ようこそ勇者よアメ○カ合衆国へ


なんてオ○マに言われても


冒険ににならなさそうだ


せいぜい隔離されて解剖されるだろう



恐る恐る質問をした。



「あのさ、1ついいかな? この国の名前は?」



アイリの髪の色に期待してヨーロッパあたりの国の名前を必死に思い浮かべた


確かにさっきと言ってる事は違うが信じたかったのだ


認めたくなかったのだ



自分がまだ帰れる場所に居る筈だと…



これは只のドッキリなのだと


だがこの質問でも帰ってきた答えはさっきと同じく良く分からないものだった



「わたしが今いる国はリノン帝国

アヴェルン大陸の端にあるわ


ちなみにこの世界の名前は………フィテリア、よ。」



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