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十二話

メイ荒れます



ピアが魔魔法学院の理事長に話を付けたらしく


後2週間程経てば

学院側の準備が整い編入できる


という形で魔法学院に行くことが


決まった


編入は珍しいらしく


クラスに馴染めるか不安だな


馴れ合うつもりはないけどね


それまでの間は冒険者として


魔物を倒して来い


とのピアの有難いお告げを頂戴して



現在リノン帝国西


深淵の森の中部にいる



この深淵の森は魔物が多く



森の奥で様々な魔物が繁殖し

数を増やしているらしい事が

偵察の依頼を受けていた冒険者

の報告で判明している


なので掲示板にあったBランクの依頼書



〜Bランク〜


場所 リノン帝国西 深淵の森


依頼内容 討伐クエスト


下級の魔物1匹につき

1万エル

中級の魔物1匹につき

10万エル


もしも下記の魔物討伐に成功した場合は

上級の場合1匹につき

20万エル


討伐部位は別に買い取ります


今は年に二回の大量発生の時期らしくこの

依頼はギルドからよく出されるらしい


深淵の森は最高で上級の魔物が出るらしく


稀に最上級が出るらしい


でも

ギルド破産しないのか…?


ちなみに魔物のランクは


冒険者ランクと似ていて


下級5等級はE

4等級はC.D

中級3等級はB

上級2等級はA

最上級1等級はS

特級はSS


これに至っては天災らしく滅多に居ないし大人数で討伐に向かうそうな


最初に倒した魔物は5等級

に当たるそうな

最弱じゃん


な訳で話を戻すが


倒した分だけお金が入る

よろしげなクエストを受注して

いざ深淵の森の奥地にきてみた





目の前には魔物の集団が居た。




…いくらなんでも多くね?



賢竜仕事してないだろ…



最近アイリに聞いた事だが


魔物を食い止めている賢竜たちが

弱体化しているらしい


でもこれはかなり弱ってるんじゃないか?


取り敢えず今は目の前の敵を殲滅するしかないか


取り敢えず今いる魔物は7匹


単眼巨人(サイクロプス)

が2体と

牛肉人(ミノタウロス)

が1体

豚人(オーク)

が3体

三頭魔獣(ケルベロス)

が1匹



サイクロプスは4m程、

中級3等級のBの魔物で

単眼をぎょろぎょろ動かし

大きな木を削った様な棒を持っている


ミノタウロスは5mもある

これも中級3等級の魔物らしい

つぶらな瞳でこっちをにらみつつ自慢のツノをこちらにむけて

串刺しをお望みの様だ

右手には棍棒を持っている


オークは1.8m程だ

こいつは下級4等級のD

バカみたいにブヒブヒ言いながら錆びた剣を持っている


ケルベロスも5m程ある

あれ?こいつ上級2等級のAじゃん…

ケルベロスは餌を見つけたとばかりによだれを撒き散らしている




やばいな


なんか深淵の森で稀に見る上級にしょっぱなからエンカウントしてるし



まず痺れを切らしたミノタウロスが突進してくる


大きく横に飛び回避するが


ミノタウロスは元気に棍棒を振り回し追いかけてくる


ミノタウロスは上段から振り下ろす形で

棍棒を叩きつけてきた




それをサイドステップでギリギリの位置を回避する


当たったら確実に挽肉にされる勢いだ



ミノタウロスは地面に棍棒が埋まり少し硬直する


その隙を見逃さずに

一気にミノタウロスに向かって跳躍し、

短剣を居合で抜き放つ


抜きながら魔力を短剣の

限界まで込めると

たちまち1.2m程の刀身が出来上がる


抜き放たれた刀身は

ミノタウロスの首を一刀の元に

落とした


ここを強化系魔法を使えない冒険者が見ていたら驚きで一瞬で禿げた事だろう


普通ミノタウロスの首は一刀で

落ちるものではない


強靭な筋繊維と硬質な骨によって


斬りつけても浅い傷しかつかないのだ


もちろん魔法剣なら別だが


だが今のメイは身体能力や感覚が

限界を超えているため


相手の隙を見計らい


ミノタウロスが棍棒を振り下ろし硬直した瞬間に

剣を抜きはなったのだ



ドスゥゥゥゥゥゥゥン



首が落ち


胴体はまるで糸の切れた人形のように膝から崩れ去った。


もちろんミノタウロスは既に息絶えていた



「「グァァオァァァァァァァアオ!!」」



森にヒビ割れた様な声の咆哮が響き渡る



サイクロプス2体が吠えながら


周りの木を棍棒で叩き折り


突進してくる


もしかして

友人だったのかもしれない ※違います。



まぁ丁度いい


次は気になる魔法を使わせてもらうか…


メイは地下図書館に入った時

こっそりと

ピアの持っていたあの本の一部を

読んでいたのだ

どうやらピアは盗む…借りていなかったらしい

そこには勇者が使ったとされる

呪文を大まかに書いた記述があった


その中で目を引いた魔法

それが軍勢召喚の魔法だ

よく効果は分からなかったが


勇者が使ったのは



神界(ヴァルキリー)カラ呼応(イース)セシ戦乙女(アザー)》だ



極級の軍団召喚魔法で魔力にあふれる勇者以外は使えなかったそうな


どんな魔法か気になるし試さないでどうするか…


多分自分には使えないだろうし、と


少し楽観し詠唱に入る



この魔法は詠唱しないと発動しない珍しいタイプの様だ



この時のメイは少しまともな判断が出来ていなかったようだ



「神代の時代に名を馳せし戦の華達よ、幾千年の時の檻を解き放ち現世に顕現せよ! 神話よ再び!


神界(ヴァルキリー)カラ呼応(イース)セシ戦乙女(アザー)》!!」



詠唱が終えて


数秒経つが何も起こらずじまいだった



「ハハッ…なにやってんだろう


こんなの発動するかっての…」



サイクロプスと他のモンスター達は

メイを食い殺すため嬉々として

走り寄ってくる



その時だった



100mほど上空に直径で10m程の

光る魔方陣が展開される


その魔方陣の中からは地面と

平行に

白い両開きの扉が現れる


金の装飾が施され

扉の至る所に鎧を付けた女性が

彫られている。


その扉が開く



サイクロプス達も上空の光景に目を奪われ立ち止まっている


扉の中からでてきたのは


百にも登りそうな様々な美女たち



皆天の羽衣の様な物を着ていてその上から純白の鎧をを付けている

その手に持つのは2mはあろう

巨大な装飾過多のランス

皆イッカクの様な動物に跨り

一直線にこちらに向かって

急降下してくる



「………おい…マジかよ…」



その余りの美しさに思わずため息がもれた


そして発動してしまった事にも驚愕を通り越して


唖然とした




地上のサイクロプスやオーク、

ケルベロスたちはたちまち

ランスと飛来した光魔法によって肉塊に変えられた


まるで神話の一部を見ているような感覚だ…



「主よ、我ら戦乙女隊(ヴァルキリー)への命令は以上ですか?」



跨っていた動物から降りた

戦乙女の1人が問う



「お、おう、ありがとう皆」



「いえ、我らも久しぶりの地上界なので嬉しい限りです

少し暴れたりないですが

でわ、これにて」



そう言い

1人1人お礼を言いにきながら

戦乙女の集団は

扉の中に消えていった



凄まじいな…



これは当分使うのをやめよう。




てか使えるのかよっ!?






などと言う意味の分からない

広範囲殲滅魔法を使ったりも

したが


しっかりと倒した魔物の討伐部位も剥ぎ取り


そのあとも少し散策をしていると


3体のゴブリンに会った


すかさず小声で詠唱する



「貫け 、


集束光線(レーザー)》」



指先から放たれた熱戦はゴブリンの1体の頭を貫通し

即死させる



「ギィ!ガアギイグァィギィ!」



「ギイギイガァギゲァ!」



1体が殺されてやっとこっちの存在に気がついたゴブリンは


錆ついたダガーを引き抜き

1体が駆けてきた


もう1体は身を翻し森の奥に消えていった


まさか仲間を呼んでくるのか?


好都合だな


剣術の訓練の相手になってもらうか


すかさず魔法剣に魔力を流しながら引き抜く


正面に構え


ゴブリンが駆け寄ってくるのをまつ


ゴブリンが飛びかかりながら

上段斬りを仕掛けてくる



その剣筋に合わせ剣を添わせ

左に受け流す


ゴブリンは自分の攻撃が流された事に驚きすれ違ったあと

タタラをふんだ



その隙を見逃さずにゴブリンの肺に当たる部分を背後から突き刺し

捻りながら抜く


ゴブリンは叫び声で仲間を呼ぶため近い位置に仲間が居ると呼び寄せてしまう為に

肺を潰し声を出させずに倒すか首を落とすかがセオリーだ



そろそろ増援がきそうだな


木の影に身を隠し

さっきのゴブリンが帰ってくるのを待つ



しばらく待つと


…来た


大小14匹のゴブリンが奥から現れた


出来るだけ声を抑えて広範囲の魔法を詠唱する



「踊り狂え、


火炎連弾(フレイガトリング)》」



2級相当の火属性魔法

炎の射筒が現れ回転し始める


その発射口から出るのは地獄の

炎のつぶて、


100発程しか出なかったが

ガトリングの様に連射されつくし


ゴブリンの集団を襲う



「ガガガガガガガガガッ!!」



終わる頃にはあたりはゴブリンの死体で溢れて居た


魔物を殺す事に忌避感はない



なぜだか分からないが人とかけ離れた姿だからだろうか


また盗賊とかを殺す時は


どうなるのだろうか



結果ミノタウロス3体

サイクロプス3体

オーク4体

ケルベロス1匹

ゴブリン15匹の討伐に成功す

る。



「開け、《収納袋(ポケット)》」




討伐部位や売れる部位を

無属性10級魔法である収納袋に

入れる


この魔法は一定の量をしまう事が出来る次元ポケットの様なものだ




10級相当の魔力があれば誰でも

使う事ができる便利な魔法だ



但しいちいち詠唱が必要なので

回復薬とかはポーチにいれておくのが

良いらしい。


既に日が落ちかけていたので急いで

冒険者ギルドで依頼完了手続きをし、


クエスト報酬は109万エル


その他の部位の引き取り価格は120万エルにもなった


合計で229万エル


一躍かねもちだ



ギルドの受付のおねぇさんの顔が引きつっていたけど気にしない


去り際に小声で

ケルベロスが出るなんてあり得ない


そしてそれをソロ討伐するなんてもっとあり得ない


なんて言ってたけど気にしない




それにしても疲れた



身体中が重い


かなり魔力を使った感覚がある



人は体内のマナが切れかけると

酷い倦怠感が襲う



大気中のマナは寝ている内に体内に溜まる


起きている内は微量しか回復しない




いくら人より魔力が多くても



軍団召喚なぞをした後に

火の2級相当の魔法使うなどと言う

オーバーキルの大盤振る舞いは

アホの子のする事だと思った



それにさっきの自分は人としてどうかとおもった。



あんな殺し方はするもんじゃない…かな


この世界に来てから魔物を殺しても

胸に違和感は残れど罪悪感は感じなくなった



勿論



人を殺しても



このまま罪悪感を感じぬままに人を殺し続けていれば


遠くない内に心が壊れるだろう



この悩みは終わらない




そうして

辛うじてピアの家にたどり着く


返り血まみれの服を脱ぐ


魔物の殺戮に走っても


気分は晴れなかった



「………


…ユメ元気にしてるかな……


…まぁユメの事だからもうTVのリモコン貸したあげないよーとか…言いそうだな……」



窓から見える星々が滲んで見えた







「…………帰りたいな………………」







ベッドに倒れこみ静かに意識を手放した




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