十一話
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翌日
リノン帝国から東に少し歩いた所
深淵の森の外れ
そこは平原になっており
岩が所々に落ちている
遠目には草食動物などが草を食べている
「ここら辺で良いじゃろ
それアイリはここら辺で座っておれ」
ピアは手頃な岩をポンポンと叩き
アイリを空いた手で手招きしている
「は、はいっわかりましたっ!」
ーがんばってね
「えっ?…お、おう…」
いきなり
すれ違いざまに小声で
言われたため思わずキュンとしてしまった
相変わらず自分のチョロイン具合は嫌だな…
とりあえず心の中で礼をいいつつ
アイリの居る岩から20m程離れる
「ここらで始めるか
その前に1ついいかね
メイ、お主魔法学院で魔法の才能を伸ばすつもりは無いか?
勿論剣術は妾が教えるが」
ほう 魔法学院か…
「剣術はピアを頼りにしてるよ、魔法学院に行って何があるの?」
それが気になる
今知ってる知識と初期魔法程度の知識を
教える程度なら冒険者で魔物狩りのほうが
効率がいいからだ
「もちろんメリットはあるぞ
魔力の制御の練習が毎日1時間組み込まれておる
これを完璧にこなせる様になれば少ない消費魔力で効率よく魔法を行使出来る様になる
燃費が良くなるって事じゃな
それに毎年学院で魔武大会もある、
それで2位までにはいれば
帝国の魔武大会の参加資格がもらえるのじゃよ
これには強者もでるぞ?フハハ
他にも学院行事も盛り沢山だ
それに可愛いおなごも多いからな
メイには役得なことばかりじゃと思うが」
ほほう、良い事ずくめだな
「たしかに面白そうだし行きますよ
魔法学院
いろいろ学べそうだしな。」
ピアは今までで一番いい笑顔で
笑う
おもわず見惚れても文句は言えまい、
「アイリは既にある程度の学力もあるし魔法学院は復習するだけになってしまうだろう。
それに妾が学費を出すのでな
迷惑はかけられんと
言っておったわいあの性格は
母親似ではないな。」
などと1人で笑っている
気がつけば随分話が逸れてしまった
「ピア、そろそろいいかい?」
「おお、すまん!
でわはじめるぞ!」
お互いの距離は10m程
草原に一陣の風が吹く
同時に詠唱に入る
「風よ切り裂け!
《風舞いし五枚刄》 !!」
「切り裂け!
《風舞いし八枚刄》!!」
一呼吸遅れて詠唱に入る
感覚が冴え渡り
ピアの詠唱の一言一句を聞き逃さず
頭の中で再構築しイメージを組み立てる
邪魔な詠唱は極力省く
そしてピアの5枚の刄よりも
多く8枚の刄をイメージ
自然と発動句が頭に浮かぶのだから不思議なもんだな…
魔法を発動する時のキーの事を発動句と言う
これは魔法をイメージすると自然と頭に浮かんで来るのだ
さすがファンタジー
そして両の手から放つ
ピアの5級魔法に対し
メイの魔法は3級相当だ
ピアの顔に驚愕が張り付く
5枚同志はぶつかり合い相殺されるも
自分の放った残り3枚の風の刄は
未だ健在でピアがめがけて迫って行く
「風よ!半月に問う!
《風神乃半月刄》!」
ピアの両手から放たれた半月と象った風の刄は大きく
体の3倍程もあるそれが
残りの3枚の刄ごと呑み込み撃ち出される
短縮魔法でこの大きさだと
短縮しないとかなりの威力だな…
回避は間に合わなさそうだ
とっさに魔力を大量に込めて
頭に浮かんだ10級の防御魔法を唱える
「…護れ《闇の盾》!」
3級相当の風の刄は
相当量の魔力を込めた
10級であるダークガードで
防御したにも関わらず
形状を維持出来なくなり
霧散した…
だが、ガードを解いた視線の先には
少し驚いた表情をしつつも
右上から細剣を振り下ろし始めた
ピアが居た
ピアの細剣は
メイの居た世界の細剣とは違い
細く長いが
僅かに両刃になっている
突きをメインとしているものの
斬る事もできる
「4属性持ちか、それに十級魔法で防御出来るなど馬鹿げておる…
詠唱は8大精霊に捧ぐ句であるぞ…
それがなければ威力は出ない筈なのに
妾達の常識は崩れまくりだな。
後で詳しく聞きたい物じゃが…
無理そうじゃな…
まだありそうじゃが既に常識破りじゃな
ハハハッ
やはり長生きは面白い事が多くて楽しいわい
だがまだ若い
戦闘経験が足りておらぬよ
油断も大敵じゃ」
8大精霊に捧ぐ句…
やはりこの世界にも宗教があるのだろうか
魔法なんて恩恵があるのだから
信仰心は凄いだろうな
ピアは突きを放って来る
咄嗟に左腕の籠手で弾くが
直ぐに2撃目がくる
そのうちに腰の短剣を抜き
体内の魔力を短剣に纏い
刀身が伸びる
魔法剣は特殊な能力がある
魔力を刀身に纏い
切れ味が上がり
折れにくくなる
剣の何処かに魔方陣が貼ってある
火の魔法陣にであれば
術者の魔力を吸い
火を纏う
相反する属性を持つものと相性が悪い
例、火の魔法剣 水の魔法使い
ー閑話休題ー
ピアの上段切り
受け止め
鍔迫り合いになる…
こったの魔法剣の効果も発動して切れ味も耐久力も上がっているのに
ピアの細剣も相当良い物なのだろう
本来折れる様な使い方をしてもかける事すら無い
筋力ならばこっちのが有利な為
相手の剣ごと突き放し距離をとる
「ハハハッ、中々やりおるの
じゃがそろそろ決めさせてもらう」
「あぁ、そのつもりだ」
これで決めるために
ピアは踏み込みながら
細剣を下段に構え
地面を剣先で削りつつ切り上げつつ迫ってくる
それに合わせて魔法剣を横から叩き込む
無理やり弾く為だ
タイミングが悪ければ
左脇腹から右肩までを割かれる
感覚を研ぎ澄ませ
ピアの切り上げた細剣に
叩きつける!
「ーーガッ!!!!ーー」
ピアの細剣は宙を舞い横に飛
ばされる
ふぅ
やっと終った
「油断大敵と言ったろうに」
ピア声が聞こえる
「ほれっ」
俺はロッドで首筋を叩かれ意識を手放した
*///ピア///*
ふむ、惜しいがまだ
自分の力を使いこなせておらんな
もう少し魔法での遠距離戦闘も
覚えさせなければ
いや、それは魔法学院に任せれば
良いか
戦闘がまだ数回の初心者とは考えられない動きだな
十級魔法で妾の魔法を防いだのはなんだったのだ…
精霊に捧ぐ句が詠唱
それがなければ魔法は発動しないのでは?
いや、詠唱する事が当たり前だったからこそ
きがつかなかったのか…
魔法は詠唱をする事で規定量の魔力を消費し
詠唱した級の魔法を発動する
それが常識…
詠唱の短縮は出来ても
精霊を呼ぶ事を無くしては…
いや、それすらも違うのか?…
これは世界を揺るがしかねないぞ
それにしても4属性か、
あの様子だとまだ余力もあるだろうし
妾の知らぬ魔法をいとも簡単に使って
きおった。
まさか伝承の勇者と同じ
エレメントマスターだったら
大陸が震撼するぞ…
まぁ メイはそんなの
知らないとか
言いそうじゃな
「ちょっとーピアさーん聞いてますー?
メイは寝かしといて良いんですかー?」
おぉ!
忘れておった
「良い良い、そのままにしておけ
メイも考える時間がほしかろう
それまで妾と戦闘訓練じゃ」
「わかりましたっ!」
アイリは火の精霊に愛されておるの
よい事じゃ
この調子だといずれ
3級以上の魔法も使えるかも
しれんの
妾はエルフ。
森の民であるが故に
精霊の姿が見える
図書館でメイに説明した時こそ
精霊の存在はあくまで魔法を発動するしやすくするための
イメージだ、と言ったが
精霊は星の数程いる
この世界ではなく
別の次元にある精霊界にそわんさかおるが
この世界にも多少おるのじゃ
魔法の素養がある物は皆精霊が近くにいる事が多い
メイの周りにいる精霊達は異常じゃな
皆メイにべったりじゃ
あれは愛されるなんてものを
超えておる
精霊がここまで1人の人間に心酔するなど
初耳じゃ 興味深いな…
ともあれ今はアイリの才能を
伸ばしてやらねば
すでにアイリはロッドを構え
詠唱の準備をしている
「ゆくぞっ!」
*//////*
その日の夜
「くっ、あぁ…首いてぇ……
完全に油断してたな。ん? もう夜か…」
目を覚まし薄暗い部屋の
窓の外をみると
既に空は暗くなり部屋の外には
灯りがついている
この灯りは無属性魔法の
《灯り》を付与された魔法道具
だそうだ
「ん、やっと起きたよ
もう どれだけ寝れば気が済むのよ。」
アイリは若干呆れ顔だ
そういえばピアがいない
「ごめんよ、ピアは? 」
「ピアさんはメイの魔法学院の
入学の手続きで魔法学院の理事長に会いにいってるわ。」
魔法学院は全寮制だ
帝国内にあるが
家に帰れるのは
日曜と長期の休みだけだ
アイリは寂しくないのだろうか
「アイリは本当に行かないのか?」
アイリは少しすると
ふっふーんと意地の悪い笑みを
浮かべた
「もしかしてメイってば寂しいんでしょー」
と良いベットに膝をかけて
メイの腰の辺りに手をつく
ベットから上半身だけ起こしている為に
アイリの寝巻きであろう
薄いピンクの
上着の隙間から谷間がみえる
ぐっ 無駄にエロい!
直視できずに顔を背けてしまう
「ははーん、もしかして
一緒に居たいの〜?
でもわたしはもう習う事ないのよ〜ふふっ」
どうやら今はずいぶん機嫌がよろしいようだ
だまってるとどうにかなりそうなので
思わず言い返そうと振り向く
「なわけな…い」
「…あっ」
振り向くとほんの数センチ先に
アイリの顔があった
長いまつげも
淡い青色をした瞳も、
少し上気した頬も
窓の外の灯りを反射し
煌めく金髪も
そしてほんのりピンク色をした
唇も
あと少し顔を近づけるだけで
触れ合いそうだ
目を離せない
まるで淫魔の魅了に
かかったかのようだ
何秒見つめあっただろうか
不意に目を閉じアイリが顔を寄せてくる
「…ほほぅ」
ん? 嫌な予感。
横目でドアの方を見ると
隙間からシルバーの髪と
綺麗な緑の瞳が2つ覗いていた
「…アイリ…見られてる…」
アイリは目を開き
えっ?と言う顔をしたあと
視線をドアの方に向け数秒
石化したかのように固まったかと思うと顔をゆでだこの様に真っ赤にしベットから
バックステップで飛び去り
両手で胸元を隠した
「ちょ!ちょ!な、!何見てるんですかぁぁ!?!?」
混乱しつつピアを攻めている
「ちっ、バレたか
もう少しじゃったのに
それにしても、アイリがのぉ
フハハッ」
ピアは悪びれた様子もなく
ニヤニヤしている
「ハハハ…」
もう笑う事しか出来ないよ…
でもあの時ピアにきがつかなければ
キスしてたのかと思うと…
少し胸が高鳴った
ストック切れましたので頑張って書いてきます
結構手直ししました
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