捌 扉を開けるために
よく考えれば、ここを見るのを忘れていた。
流石にどぉなつももういないだろう。
少しでも何かがあれば、というか無かったらもう詰みだ。多分。
俺は脱衣所のドアを開けた。
「うん...居ないな。」
以前とは変わってすりガラスの向こうには何も映ってない。
一安心だ。この風呂に何かあってほしい。
「やはり広くはないが...ん、これは、?」
浴槽の排水溝に何か詰まってる。
鍵だ...!あでも、タグに【メイドルーム】って...
地下室の鍵ではなさそうだが、進捗ではある。
確かメイドルームは2階、だよな。
俺はどぉなつとの遭遇を警戒しながら、2階へと上がる。
良ければまたみんなと合流したいんだが...まあそう上手くも行かないか。
無事メイドルームの前まで到着した。
「開けるか。」
扉を開け、中に入る。
中には、ベッド、タンス、テーブルに椅子。それと本棚。
メイドの部屋だな、本当に。
いつも通り中を探索する。俺の読み通りなら...
「......お、あった。」
本棚の中に、1枚の紙。
研究データだ。
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研究データ『どぉなつ』No.4
生物【どぉなつ】の複製体について。続。
一致率85%の複製体生成確認。オリジナルにも劣らないと考えられる。
再生速度については未だ不明。研究を続ける。
また、稀にオリジナルとは程遠いが、特殊な力を持ったどぉなつの複製体が生まれることを確認。
以降このどぉなつを【でかどぉなつ】もしくは【異種どぉなつ】と呼ぶことにする。
被験者 どぉなつ
担当者 ====
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こいつらに真正面から戦おうとしても無理か...
まあ元より戦うつもりなんてないけど。
にしてもこいつ、生物なのか?そろそろ疑うぞ。
研究データの紙をしまい、他の場所も見る。
タンスを開けてみる。
「これは...箱?」
小さい箱は開きそうだが...鍵みたいなのがかかってる。
なんとか無理やりにでも開かないだろうか。
もう鍵探しはめんどくさいです!!
振ると中からはカラカラと何かが入っている音が聞こえる。
「ワンチャン、鍵か...?」
どうにか開けるか、
とりあえずぼこぼこに殴ってみることにした。
箱に傷は付く...でも開かない。結構頑丈なのか?
まあ一旦持っておこうか。
「なんかこじ開けれればいいんだけどな...」
あ、そうだ。
ちょっと前にハサミ拾ったんだった。錆びてるけど、これで開けれるか?
てこの原理だっけ?
俺は少しの隙間にハサミを差し込み、思いっきり力を込める。
「んー.........うおっ!!!?!」
勢い良く箱のふたが開いた。
あまりに油断してたから思いっきり尻もちをついたけど、開いたからまあいいか。
中にはやはり鍵が入っていた。
「これで地下室開くかな...」
よく見ると、タグには削れているが、うっすらと【下室】と書いている。
これはきっと地下室だ!
俺は再びどぉなつに気を付けながら下へと戻った。
階段を降りている最中に後ろからどかどかと聞こえたが、もしかしたら誰かいたのかもしれない。
足早に行くと、見つからずに扉まで来ることができた。
「よし...開いてくれ。」
俺は鍵穴に鍵を差し込む。
詰まることなく入り、そのまま回すと、ガチャっと音が鳴った。
「開いた!!」
そのまま扉を動かすと、重たい音を響かせながら地下への階段が見える。
きっとこの下にもっと色々あるだろう。
俺は少し後ろを確認して、下へと降りる。
それなりに探索出来てからみんな呼べればいいだろう。
「絶妙に暗いな......」
暗めの空間にカツカツと床を踏む音が響く。
階段の終わりが見えると、廊下が進んでいるように明かりが見える。
そこに着くと、目の前には扉がある。
「行くか...」
俺は扉を開ける。
そこには広めの空間に扉が3つあった。そして机が1つ。
机の上には何かがある。
「これは...研究データか。」
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研究データ『どぉなつ』No.3
生物【どぉなつ】の再生能力について。
身体の約60%を破壊した。表情を見るに、苦痛は感じている模様。
再生までの所要時間 約8分。
再生速度を速めることを可能だと仮定し研究を進める。
被験者 どぉなつ
担当者 ====
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へぇー...このくらいなら頑張れば倒せそうだけど、速くなってたら困るな。
念のためいつも通り研究データは拾っておくことにした。
すると隣の部屋でガタッと物音がする。
「っ!!...どぉなつか、?」
俺は逃げ道を確保しながら扉を開ける。
...もしどぉなつだったら逃げよう...
「っ......おや?君は...?」
「えっ、誰!!!」
そこには俺の友達ではない、誰かが居た。




