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どぉなつの館  作者: 管理人①
4/6

参 『どぉなつ』という生物


「はぁ!!!はぁ...!!!」


まずいどうしようほんとうにまずい。

後ろから聞こえて来るのはどぉなつの足音。

完全に俺を追っている。

捕まったら終わりだ。

距離的に物置に行ったらシュウヤ共々こいつに食われてしまう。

だったら...


「こっちだ!!」


俺はキッチンの方へと向かった。

扉を開けてすぐそばにリビングの部屋があるからそこへ逃げ込んだらまだ可能性はあるかもしれない。

無我夢中で俺は走る。

俺の大きな足音とどぉなつの大きすぎる足音が交互に鳴る。

すぐにドアを開け、そのままの勢いで閉め、リビングのドアノブに手をかけた。


「開いてろぉぉぉ!!!」


ガチャ


「っ!!」


リビングのドアが開いた。

鍵はかかっていなかったのだ。

すぐに扉を閉めて向こうの音を聞く。


「......」


ドンドンと鳴っていた足音は鳴り止んでおり、ぺたぺたと小さな音だけが鳴っている。

しばらく待つとドアのガチャと言う音が聞こえ、キッチンからどぉなつが居なくなったことが分かった。

というかあの大きさでどうやって出入りしてんだ?

とにかく俺は何とか逃げれたことの安心感でその場に座り込んでしまう。


「ふぅ......頭はあんまりよくないみたいだな...」


少しの間頭を冷やし、ここがリビングだということを思い出すと、探索しようという気に戻る。

この部屋にはテレビ、ソファー、テーブルなどがあり、まあまあ快適に過ごせる空間ではある。


「さて、どこから見ようかね。」


まだ外にどぉなつがいるかもしれないリスクのせいでむやみにここから出ることはできない。

今はここを探索することしかすることがない。


「テレビは......つかないと...ん待てよ?」


今更過ぎるかもしれないがスマホを使えば助けを求めれるんじゃないか?と俺は考えた。

ポケットからスマホを取り出そうとする。


「あれ...無い、スマホが......無い!?」


この館に入る前にあったはずのスマホがなくなっている。

どぉなつみたいな謎すぎる生物がいる今、正直この空間はなんでもありだ。

だから無いこと自体には焦らないが連絡が取れないとなると話は別。


「あーーーもうまじかよぉ...」


スマホは諦めて再び探索を始めることにした。

この部屋にはドアが2つある。入口から見て正面に1つ、右側に1つだ。

まあ、正面からだな。

看板なども特に見当たらなかったので、俺は正面のドアを開けた。


「ここには、うわぁっ!」

「きゃっ!!...もう何よツバキじゃん...」

「セナ!?!?生きてたのか!!!」


そこにいたのはまさかのセナだった。

俺の憶測ではもう死んでるかと思ってたんだけど...


「生きてたのかって失礼じゃない??生きてますけど!」

「最初にどぉなつに追いかけられたのってセナなんだろ?」

「あー、うん。ドーナツっぽいやつがいて、可愛かったから近づいてみたら急に。」

「よく逃げれたな。」

「まあ結構死に物狂いだったけどねぇ~」


俺とセナはリビングのソファーに座って少し話すことにした。

セナはどうやら最初ここのリビングに逃げ込んで、その後奥の部屋で隠れていたらしい。

あそこの部屋はクローゼットっぽいとセナは言っている。


「あ、そういえば暇だったからクローゼットの服がしゃがしゃしてたんだけどね?」

「んなことすんなよ。」

「これ見つけたからあげるよ。」


セナが俺に差し出してきたのは1本の鍵。タグには、【陸】と書いている。


「陸?って書いてる鍵あったんだよね。」

「陸かぁ...漢字一文字...。花の部屋だったら見つけたんだけどな。」

「それは私知らないわ。」


リビングとクローゼットにしか移動していないなら他のところは確認できていなくて当然。

そうだ、せっかくだし俺が見つけた研究データなるやつも見てもらおう。


「なあ、俺もこんなの見つけたんだけど。」

「え?研究データ...へぇ。あいつどぉなつって言うんだ。」


セナはその紙を手に取ると黙々と読み始める。

読み終わると少し悩ましいような表情で口を開く。


「『No.9』って書いてるし、他のやつもありそうだよね。」

「それは思った。だから別のやつも探そうと思ってて。」

「それに...この、『彼ら』って書いてるのも気になるんだよね、私。」

「確かに...どぉなつがあの1体だけなら彼らって書く必要もないか...」

「もしかしてだけど、どぉなつって1体だけじゃ...ない?」


そんなことがあったらめんどくさい以外の他でもない。

挟み撃ちにでもされてみろ。逃げようないぞ。

ただでさえどこから出てくるかわからないのに。


「まあこの紙は持っといて、ツバキが見つけたもんだし。てか、他の3人は?」

「シュウヤは見つけたんだけど、他の2人はまだ...」

「そっかぁ、心当たりは?」

「うーん...。まだ行ってないところが、玄関から正面の廊下の左右にある階段と曲がり角なんだよね。あとそこのもう1つの部屋。」

「そこは鍵かかってたよ。」

「あ、そうなんだ。」


今1番優先すべきことは他の2人のサキとアツシと見つけること。

サキはまだしも、アツシは足が遅い。だから先にアツシの生存確認がしたい。


「じゃあそうだね、2人で手分けしよっか?」

「それが1番だろうね。」

「私が曲がり角の方行くから、ツバキは2階探してくれないかな。」

「わかった、任せて。」

「こっちは私に任せてね!」


俺たちは2人で手分けすることにし、奥のT字通路で分かれた。

階段を上り、2階へと向かう。

どぉなつが1体だけじゃないことを考えると、2階にいてもおかしくはない。


「っと、これまた広いな...」


俺が今目に入る部屋の数だけで4部屋。

1階に比べると比較的広めの空間だ。ここでどぉなつに遭遇したら最短距離詰められそうで怖いけど。

さて、どこから行こうか。

まず部屋の名前から確認していく。


「『寝室』......『客室』......『海』...。また一文字だ。んで最後は、書いてないか。」


どこから行くべきなのか...

ここから見える範囲には大きな曲がり角が1つだけあり、そこを曲がるとまた部屋があると考えれる。


「......寝室から行くか。」


俺は鍵のかかっていなかった寝室を選び、ドアを開けた。


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