第一生徒会ルート 第3.5話 拠点フェイズ1
第一生徒会ルートで、こんなエピソードを書いていたのですが、速度優先で切り捨てました。
というわけで、ちょっと割り込みです。
祝 累計 一万人(10000ユニーク)ご来店記念。
割り込み 拠点フェイズ!!
第一生徒会ルート
拠点フェイズ 1
~遼瀬 シア
一刀が倒れたと聞いて、とるものとりあえず走って行きたかったけど、そんなことをされて喜ぶ
ような奴じゃないことは短いつきあいでも解った。
だから、ぐっと我慢する。
心配なのは自分だけではない、と。
だから目の前の三羽がらすの頭をはたく。
「あんな、心配なんはみんないっしょや、でもな、仕事はせなあかん。 せやないと倒れた一刀に
申し訳ないやろ?」
三人ともいい顔でうなずく。
そんな風に言っておりましたがぁ~
もちろん仕事が終われば抜け駆けするのです。
もうみんな休んだ頃だ~、ということで、一刀の部屋に忍び込んでみると、ラッキーなことにだ
れもブッキングしていなかった。
こりゃ、寝顔独り占めやな、ということで、そっとベットに寄り添うと、うっすらと一刀の目が
開く。
「あ、シアさんだ・・・・。」
一目でわかったという事で、褒美に撫でると、嬉しそうに微笑む。
あかん、あかん、いやされるわー。
・・・ちゅーしたろか・・・・
「シア、そこまでよ」
気づけば曹ちゃんが首根っこをつかんでた。
「いけずや、曹ちゃん」
「・・・その手前までなら黙認よ」
「そかぁ、せやったら、なでなでさせて。」
「・・・首から上だけよ」
「曹ちゃん、いけずや・・・。」
まぁいい、目を盗むなどたわいもない。
「・・・シア、とりあえず、私の後よ」
「へーい。」
むー、お手つきでもいいけど、初物の方がおいしそうなんやけどなー。
~桂 花代「・・・できるわよ、やってやるわよ!!」
主君の思いを形にする。
それこそが私たち文系の花道。
粛々と終える仕事も、颯爽と仕上げる仕事も、私たち文系幹部にとっては主戦場だといえる。
書類を叩き伏せる、書類をナギ払う、書類を・・・・
「桂花ちゃーん、もどってきてくださーい。」
はっ、思わず意識が飛んでたわ。
なにしろこの三日、寝る時間などないぐらいの忙しさ。
風ですら「ネタ」で居眠りのまねをしないほど忙しい。
凜など鼻血も出ないほど憔悴している。
元々は「一刀」の無茶が出始めだけど、それでもあいつの言う「間に合わない」という言葉が実
感できないほど愚かではないつもりだ。
「そうですね、お兄さんの言うとおり、二週間では遅すぎるとは思いますしね。」
そう、この準備期間二週間というのは、我々にとっては最速だけれども、相手にとってみれば下
策中の下策だ。
なにしろ相手がほしいものは「時間」なのだから。
我々が分析した第二生徒会の方針は「時間稼ぎ」だった。
存在のはじめから今に至るまで、なにを目的としてなにを終着としているかすらわからないけれ
ど、大まかな方針を分析すると「何かを待っている」としか思えないのだ。
いや、「一刀」が「間に合わない」と言い出したことから引っかかり気づいたともいえる。
「せっかく気づけたチャンスは、潰さないようにしなければなりませんね、桂花。」
「・・・そうよね。」
事務は文系の花道!!
とはいえ、挫けそう。
~北郷一刀「・・・やっとベットからでる許可がでました」
第一生徒会は上を下をの大騒ぎ中。
とはいえ疲労で倒れた僕には休養が命じられていて、身動き一つ出来なかった。
凪や沙和たちが状況を細かく教えてくれるのだけれども、そのたびに動きたくなる。
人目を忍んで部屋から出ようとすると、なぜか春ねぇや秋ねえが現れて説教地獄になるのが恐ろ
しい。
そんな缶詰四日目でどうにか外出許可が出たので、急いでみんなの手伝いに入った。
「助かるわぁ~隊長。」
真桜の話では、そろそろ集中力の限界だというところで僕が戻ってきて、どうにか持ち直したと
か。
なるほど、そういうカンフル効果も狙ってのことか。
わが会長カリンの手腕に驚く僕だった。
弛緩した雰囲気はゆっくりと張りなおされてゆく。
それは実行が迫っていたから。
決行が迫っていたから。
2010/6/26 に割り込みました。
ご感想をお待ちしてます