片想いしたい
幼なじみの梨央と圭太は
いつもの道を下校している。
「あー片思いしたい」
梨央は唐突に呟く。
「片思いしたいよー」
「なんだー突然に」
圭太は面倒くさそうに聞く。
「七奈美が片思いって
色々いいんだって言ってたの」
「なんだよ色々いいって?」
梨央は嬉しそうに
「まずお肌が綺麗になる」
「あと痩せる」
「そして胸が大きくなる……らしい」
圭太は馬鹿にして笑う
「ハハ、そりゃいいねぇ」
梨央は睨んで返す、それを見る圭太
「じゃモスシェイク奢ってよ」
「なんで?」
「片思い代金」
「そしたら思う存分俺の事想っていいよ」
唸る梨央
「そりゃ駄目だわ」
「なんでよ」
「成立しないから」
「するでしょ」
「しないよ」
「私は、片思いがしたいの、あんたじゃ成立しないでしょうが」
「えーワケわからん」
「だから、モスは奢らん」
「じゃ今日もワリカンで行こう」
「しょうがないなー」
いつもの道で
いつもの寄り道をする二人。