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初恋は成就しないと言うけれど ◇私は仕事がしたいのです!番外編◇  作者: 渡 幸美


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幼馴染みって、いいよね (トーマス視点)

ずっとブクマして下さっているお礼です!

ありがとうございます!

明日は、ジークフリート王太子殿下の35歳の誕生日だ。


同時に今代の陛下が退位され、ジークフリート様が王位に即位をされる日でもある。


陛下のご予定では、もう少し早くに譲位されおつもりだったようだが、ルピナスシリーズでやることがあるからと、殿下がのらりくらりとそれを引き延ばしていたのだ。


まあ、気持ちは分からなくもないが。


王太子時代も自由とは言い難いが、王のそれとは訳が違う。ローズマリー様が引き受けた事業も多くあったし。



「……で、明日即位ご予定の王太子殿下が、わざわざこちらにいらして何を?」

「ん?新しい宰相殿に挨拶を」


しれっとした笑顔で、ジークフリート様が言う。

確かに明日から、俺も正式な宰相になる。が。


「正直にどうぞ、殿下」

「……暇でな。ローズも、周りも動き回っていて、子ども達すら相手にしてくれん」

「……そりゃ、あんたの為にでしょうが……と、すみません」

「構わない。誰もいないんだ、幼馴染みでいてくれ」


厳しいながらも人懐っこいのは、昔から変わらない。


「じゃ、遠慮なく。まあ、女性は準備が多いし、子ども達も可愛くしたいのでしょうしね。仕方ないかと」

「分かってはいるが。セレナは?」

「……うちも、似たような状況ですよ」


明日が戴冠式のため、その準備で今日は書類仕事は禁止デーだ。だが、そうなると、俺達はあまり役に立たない。


実は俺も、家にいても邪魔そうだったので、明日以降の仕事場の確認ついでに宰相室(ここ)に来たのだ。


「今はちょっと寂しいけれど。明日、着飾ったセレナと子ども達を見るのは楽しみです」


セレナと結婚式して8年。1男2女に恵まれた。


「ああ、それは分かる。何年経っても可愛いよな……」


相変わらずの愛妻家は、真顔でそんな事を言う。


「本当に」


が、俺も同じ気持ちなので、すかさず相槌を打つ。

その様子を見て、ジークがフッと笑う。


「……本当に良かったよ。トーマスとセレナが無事に結婚できて」

「……その節は、ご迷惑を……」

「いや、蒸し返すようですまない。ただ改めて、幼馴染みが幸せで良かったと思ってな」

「ジーク……」

「ローズも俺も、トーマスはセレナにぞっこんだと思っていたが、一時期は焦った。が、俺は何も出来なかったな。でも、こうして嫁を惚気合えるのは嬉しい。ちょっとした夢だったんだ」


一国の王太子が……明日には王様が、そんなたわいもないことで、喜んでくれる。子どもの頃にしか見ていない笑顔を向けられると、かなり気恥ずかしいが、やはり嬉しい。


「ジークには感謝してるよ。もちろん、ローズにも。二人がギリギリで止めてくれた。……自分の唯一の宝を失わずに済んだ。改めて、ありがとう」


「……何だか、照れるな」


ちょっと不思議な時間が流れる。もういい歳の男二人が照れ合っているのも、客観的に考えるとアレだ。


「ま、まあ、ともかく、ローズも美しいが、明日はセレナが一番だと思うが、よろしくな」

半分はぐらかしと、半分本気で、俺が言う。

「何?逆だろう!セレナも美しいが、一番はローズだ!!」

すかさず反論してくるジーク。


その後も、二人で散々嫁自慢と子ども自慢をして、(俺たちにとっては)有意義な時間を過ごしていく。


ああ、幼馴染みっていいよな。

……失わなくて、本当に良かった。


友人として、右腕と呼ばれる臣下として、これからもしっかりと尽くしていこう。




「恥ずかしいから、お城であんまり自慢話みたいにしないで……」

と、ローズと共に俺たちを迎えに来たセレナに言われるのだが。ドア越しにいろいろ聞こえたらしい。


でも、そんな可愛い顔をして言われたら、直せる訳がない。


そう思いながら、ローズに同じような事を言われたジークを見ると、俺と同じ表情をしていて、二人で笑った。



グリーク王国は、今日も、そして明日も、これからもずっと。


こうして、平和を築いていくのだ。


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