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初恋は成就しないと言うけれど ◇私は仕事がしたいのです!番外編◇  作者: 渡 幸美


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13/25

13.憧れの

翌日。

待ちきれないリーゼ達に背中を押されて、エマ様に当日のお茶会を持ち掛ける事になってしまった。

ええ、逸る気持ちは理解できますが。


エマ様の体調も心配だったが快諾してくれて、しかもレイチェル様とカリン様もご一緒という、嬉しいプレゼント付きだった。

このお二人も、女生徒たちの憧れだ。

貴族のご令嬢なのに、堂々と自分の道を進む姿。以前よりは緩くなっているものの、婚約されていないのは珍しい。様々な壁を、小石を、嫌味の棘を、軽やかに躱す様は、痛快なくらいだ。




そして結論から言うと、お茶会は大変盛況に終わった。エマ様発案の事業に関して、当家の参加も示したし、皆様のお家もきっと参加なさるでしょう。更に嬉しかったのが、お互いに敬称無しで、砕けてお話が出来るようにもなったのだ。リーゼ達も改めての謝罪も出来て、ほっとしていた。もう、とっても有意義なお茶会でした!!


きっとリーゼもソフィアもシャロンも、一人でも進めるであろう道筋を手に入れた。一緒に頑張って行きたい。


そう、初恋は、叶わないものなのだ。


「あ、でも初恋と言っても、あの二人は上手く行きそうよね」

今は寮の自室。一人言る。つい、にやけてしまうわ。

お茶会の後の、ソフィアの攻撃(?)から始まった、エマのあれこれ。とても可愛らしかった。

「ハルト様は……間違いなく、初恋よね。それにしては絡み手がすごいけれど……でも、ふふっ、らしくない所もたくさん。エマも、あの様子だと初恋よね」


暫くは、恋愛だの婚約だのは遠慮したいけれど。


「やっぱり、ちょっと羨ましいな……」


想い思われる幸せというのは、どんな気持ちなのだろう。


「止め止め!さて、課題をやってしまいましょう!」

現実を受け止めて、頑張らないと!



……なんて、その時の私は、舞台のような場面に立ち合うなんて、想像もしなかったのだけれど。周りの皆もだったと思う。……まあ、普通しないわよね。



でも、ラインハルト様のあの教室での告白は、下手な舞台よりも感動的で、美しくて。こちらも幸せな気持ちになった。


……ちょっと、いや、かなり?やっぱり牽制はすごかったけれど。


素直に、羨ましくて、憧れるシーンだった。




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