お面と真実と運命と(貮)
題名、変えました。なんか、方向性間違えそうになりかけたので。(ーー;)
ケン坊が無駄にカッコいいのはケン坊が紙芝居を書いてるからです。そこら辺のことは後できっと勇くんが回収してくれるでしょう。←登場人物任せ。
何時も読んでくださりありがとうございます!
「紅葉!紅葉ぃーーー!通してくれ!失礼する!」
バタバタと現れたのは…
前領主様に気に入られ、5年くらい会ってない、絵を描くのが得意な…
「紅葉!」
「ケン坊!」
ケン坊は私の顔を見るなり不思議そうな表情になった。
「紅葉…?泣いてんの?」
「え…」
頬に何かがつたっている感覚があったのは初めてこの人の怪我を見た時からだ。それを泣いていると言うのだろうか。
ケン坊が布団に横たわる人を見てぎょっとした顔をした。
「ってか、兄上⁈…これ…。」
下唇をキツく噛んでいる。
「ケン坊、この人を、私は助けたい。でも。どうしたらいいかわからないの。」
握った拳の上にぽたぽたと何かが弾けた。
だんだん景色も滲んできた。息もしづらい。これは、何?
「お、落ち着けって。薬は飲まさせられてたか?」
「ぅっく…たぶん………っ」
「んで、長老のじじいは何しろって?」
「かんっ…びょ…っ………」
言葉が続かない。でも通じたようだ。
「そうか。紅葉が側に居れば後は本人の体力次第で治るという算段か…。じじいめ。」
コホンと咳を一つ。
「いいか、紅葉。怪我が治った後の姿を想像するんだ。そして、手を握ってみろ。」
「で、も。この人、はじめて、あった…。」
「いいから!あのじじいが帰って来る前に!早く!理由は後で説明するから。」
長老様には知られてはいけないこと?
でも。
それだけで良い方向に向かうなら。
………………………想像する。
元気になって
笑っている姿を。
楽しげに
あちこちを走っている姿を。
床から起きて
怪我一つさえも無くなって…
やっぱり
笑顔が見たい。
そっと真横に移動する。
恐る恐る
先程の想像を脳内に巡らせて
手を握った…
―途端
景色が真っ白になった。
さて、紙芝居を聞いてるだけでは終わりません。まだまだ4分の1?かな。
これからもよろしくお願いします。
あ、ちなみに紅葉ちゃんは記憶にある内では初めて泣いた設定です。箱入りであんまり怖いものとか知らないので。次回そこら辺も入れられたら良いな。