表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一輪の花  作者: 雨井蛙
あとがき
51/52

??話 カルネラ・アルスバーンの記憶2

お蔵入りになった話です。4月に書いたっきり放置してました。

アルストロメリアは最初、敬語をつかってましたが、カルネラの影響で口が悪くなったという設定でした。

「俺はカルネラ・アルスバーンだ。よろしく、アルストロメリア」


私は少女に自己紹介し、手を差し出した。が、少女はその手を弾いたのだった。


「馴れ馴れしくしないでください。人間」


なんて生意気な少女なんだろう。それでも私は大人だったので少女の態度を許すことにした。


「てか、『人間』といったな。それではまるで自分が人ではないって意味になるぞ」


「よくぞ、聞いてくれました! 私こそが神、アルストロメリア。私は神なんです!」


「……そうか可哀想に、いい医者を紹介してやるよ」


「本当なんですから!」


少女は地団駄を踏んだ。明らかに少女だった。そんなことよりも《想いの力》が失敗したことを調べたい。

少女は放っておいてレポートを書いていく。


「ねえ」


外観に異常なし、《完全な世界の顕現》には特定の状況下でしか発動しないとう可能性は……。


「ねえ」


いや、実はすでにタイムトラベルしているのでは? いやそれは無いか時計の針は同じ時刻を指している。うーん。


「ねえってば! 私をみてください!」


「馴れ馴れしくしないで、と言ったのは貴様の方だ。そして俺はいま仕事中だ」


「貴様じゃありません。アルストロメリアです。それにあなたもしかして《想いの力》を調べてるのではないですか?」


……《想いの力》がなんで外部の者が?


「貴様、もしかして……」


「もしかすると神なんです」


「もしかして外部のスパイなんじゃないか?」


私は少女の頬を引っ張った。いや、冷静に考えてみれば少女がスパイなんて有り得るわけないか。じゃあ、この少女が《想いの力》を使えるのは一体……。


「神と言うなら証拠をみせてもらおうか」


「いいでしょう。絶対的強者の力をみせつけてさしあげます」


「《完全な世界の顕現》」


少女がそう詠唱すると、一つのリンゴが召喚された。たしかに、これは《想いの力》だ。


「ちょっとまて、《完全な世界の顕現》は、歪められた世界を元の世界に戻す力だろう? なんでリンゴが召喚されるんだ?」


少女は召喚したリンゴを齧りながらハテナを浮かべた。


「《完全な世界の顕現》も《不完全な世界の顕現》も同じ力ですけど……」


「どういうことだ?」


「《完全な世界の顕現》は無限の並行世界から、《不完全な世界の顕現》は有限の並行世界から召喚する力です」


「ちょっと待て考える」


《完全な世界の顕現》は時間遡行(じかんそこう)ではなかった? 《不完全な世界の顕現》が3つの世界から探索して召喚するのだとすると、《完全な世界の顕現》は10つの世界から探索する。3つの世界には「死んだ世界」にか存在しないけど、10つの世界の一つは「生きた世界」が存在する可能性がある。


「……そうか、元の世界に戻ったというのは錯覚だったということか」


「やけに物分りがいいですね」


「まあな。時間遡行(じかんそこう)はできないのか。タイムトラベルができると思ったが、そうか勘違いだったのか」


「タイムトラベルする力はありますけど?」


「なんだと!?」


「《正当なる観測者の権限》それ自体がタイムトラベルする力です」


「是非教えてくれ!」



「……なるほど《新たなる世界の複製》、《正当なる観測者の権限》、《不当なる観測者の権限》

、並行世界の解釈にそんなものがあったなんて」


「私を神だと信じてくれましたか?」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ