登場人物紹介(一章終了時点)
一章が終わった時点での登場人物紹介です。内容は話の展開に応じて変更される可能性があります。画像は「カスタムキャスト」を使ったイメージ画像です。
〇パルメック・カラマルカ
邪教の教主。神聖術士・思念術士。異界神「イ・ウルン」を崇める教団ウルン教の最高指導者だが、かつて対立教団と争った時にかけられた呪いによって幼女化してしまっている。段々意識まで幼女化しつつあり、最近は少女の姿のまま、神殿を抜け出して信者の子どもたちと遊ぶのが趣味になりつつある。少女としては「パメラ」と名乗っている。
思念術で元の老人の姿を周囲に見せていた…つもりだったが、実は近侍の人間には大体バれていた。
経営難に陥っている邪教復興、及び自分の姿を元に戻す為、王女であるティアを邪神復活の生贄に捧げようとしている。
「広く開かれた邪教」が教団経営のモットー。
〇ヴェルデ
ウルン教の思念術士。下層階級の出身で、教団内でのし上がる為に男性の振りをしている。思念術によって、周囲に「男性である自分」を見せているが、実は女性。一応教団内では通用していたが、規格外の精霊術使いであるティアにはあっさり見破られてしまった。
自分のことを「立身出世の為なら手段を選ばない辣腕の策士」であると思っているが、実際のメンタリティは「人に頼まれると嫌と言えない生真面目な苦労人」に近い。
現在、教主の命令で「ティアを自分に惚れさせる」という任務を負っているが、あっさり女性とバれてしまった為どうしたものか思い悩んでいる。
〇ティアーニャ・ノル・フィス・レルセム
レルセム王国の王女にして、王国最強の精霊術士。通称ティア。「精霊宿し」と呼ばれる、精霊を自分の身体に憑依させる体質で、その身に「炎皇」ガガックと「水皇」メルザルドを住まわせている。自分に対して害意を向けてきた相手に自動反撃するという暗殺者殺しのスキル持ちだが、炎皇と水皇を完全に制御出来ているわけではないらしい。
本人の性格は気さくかつ素直で、王族と思えない程気安い振舞いをしている。人探しの為に王宮を抜け出すつもりだったらしく、自分からウルン教の神殿までたどり着いた。
〇クリス
神殿の側の村で暮らしている、信者の子息の少女。面倒見がよく、子どもたちのリーダー格。たまに遊びにくるパメラを可愛がっているが、その挙動のはしばしを不思議に思ってもいる。
〇リゲル・ヌイーゼン
パメラの近侍長、神聖術士。パメラを遠くから眺めて幸せな気分に浸る会をまとめている変態紳士。
【世界観・設定用語紹介】
〇術士
スティアラ大陸において、魔術を行使する能力があるものの総称。
参照するパワーソースによって「生命術」「思念術」「護物術」「精霊術」「神聖術」「異界術」の六系統に分かれている。
俗に術士が一人いれば二十人の完全武装の兵士と渡り合えるというが、もちろん術士にも幅広い能力差がある為、この基準は極めて怪しい。とはいえ、一般的に術士が極めて強力な戦力として認識されていることは事実である。
〇思念術
スティアラ大陸に伝わる六つの術式系統の一つ。人間の思念、思考、イメージをパワーソースとして行使される術式。一般に、最も応用範囲の広い術式だと認識されている。
基本的に、「言語と思念でイメージを固定する」「そのイメージを解放する」という形式で行使される。その為思考の集中が極めて重要で、熟達するまでは制御が難しい。
思念術の内部でも更に細かい系統が分かれており、物理干渉系、精神操作系など、術士によって得意分野が異なる。
〇神聖術
スティアラ大陸に伝わる六つの術式系統の一つ。神の力をパワーソースとして行使される術式。誤解されがちだが、「神の力をもって傷を癒す」であるとか、「祝福を与え意識を鼓舞する」といったものだけではなく、神の意志を垣間見せることによる洗脳や催眠、神罰を相手に落とすといった、暗い側面の術式も多く存在する。
〇精霊術
万物に宿る精霊の力をパワーソースとして行使される術式。別に自然環境にしか存在しない訳ではなく、人工物に宿る精霊もいる。ただし、どんな場所にもいるという訳ではなく、その場に精霊がいないと行使することが出来ない、という弱点がある。
日常生活にも密接に関連しており、スティアラ大陸で水道設備や冷蔵設備が一般的な存在なのは、精霊術士が精霊術を行使して精霊の働きを調整しているからである。その為精霊術士はどんな共同体でも大変重宝される。
極めて稀に、自分の身体自体を器として精霊を宿すことが出来る術士が存在し、「精霊宿し」や「精霊棲み」と呼ばれる。