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(99)物

 物が豊富ほうふそろい、何でもあるっ! と威張ったところで、助かるとは限らない。^^ 要は、その物の価値を知り、使いこなして成功裏せいこうりみちびけるか? にかかっている訳だ。例えば、スポーツの名選手が必ずしも名監督ではないといったようなものだ。チームの各選手の長所を知り、適正に配置や交代をさせ、あるいは策を授けられるか・・にかかっているのである。単なる物は何も言わないし、使えば『はいはい! さよですかっ!』と使われるが、人の場合は生きた物だから、なかなか扱いが難しいだろう。まあそこが、使い熟す監督 冥利みょうりにつきる点なのかも知れない。

 とある家の日曜の早朝である。

「何よっ! こんな早くからっ! 五月蝿うるさくて寝られやしないわっ! まだ四時半よっ!」

 ガタ、ビシッ! ガガガァ~~!! と雑音を出され、否応いやおうなしに起こされた妻は、ご機嫌斜めで主人に文句を言った。

「いや、すまんすまん! 起こすつもりじゃなかったんだが、今日中に作ってしまおうと思ってな…」

「次の日曜もあるんだから、少しずつ楽しんで作りゃいいじゃない」

「ああ、そらまあ、そうなんだが…。ははは…そこが、それ…」

 妻の言い分が正しいからか、主人は語尾ごびにごした。

「それにしても、音の出し過ぎじゃないっ!」

「ああ、まあな…。思ってた物にならないから、ちょっと道具を使い過ぎたっ! ははは…」

「ははは…じゃないわよっ! ったくっ! いい加減にしてよっ!!」

「はい…」

 主人の反省の小声を聞くと、ご機嫌斜めのまま妻は寝室へと消えた。

「あいつはいまだに使い熟せん…」

 妻が消えたあと、ボソッ! と漏らした主人のひと言である。

 物が使い熟せないと、助かる快適な生活が危ぶまれる・・という助からないお話である。^^


                  完

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