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(90)進化

 世の中は電気、電話、電池、電波、電子・・などの見えない物が飛び交う高度機械文明の時代となり、どんどん、進化している。だが、冷静に考えれば、果たして、どうなんだろう? と首をかしげたくなることも、ままある。たとえば、歩いて二、三分の距離にあるうどん屋へ店屋物てんやもの天麩羅てんぷらうどんを電話で注文したとしよう。歩いて往復したとしても、その距離はわずか五分ばかりなのである。確かに早いことは早いし便利だ。しかし、足は使わないから退化して弱ることになる。そうして、どんどん弱り、^^ やがては使っていた人がこの世から消えるき目となる。とっ! どうなるかっ!!? 分かりきったことだ。使われていた見えない物は使う人がいなくなって使われなくなるから、ご主人を失って失業をする。そうしてやがては、ゴミとなって捨てられる運命を辿たどる。ゴミとなって捨てられるとは、人の場合と同じでこの世から消え去ることを意味する。すなわち、進化ではなく、このまま高度機械文明の時代が進めば、文明は退化することになる訳だ。だから、人が助かるためには、人がついていける程度に機械文明を進めよう! という結論に立ち至る。^^

 残暑がきびしい中、涼しい木陰こかげのベンチに座り、二人のご隠居が語り合っている。

「まだ、暑いですなっ!」

「はいっ! 朝夕は少し涼しくなりましたが…」

「今年の夏もクーラーで、なんとかしのぎましたぞっ!」

「私もです。暑かったですからな…」

「ええええ、そらもう…。クーラーなしじゃ、あの世逝きですわっ、ははは・・・」

「しかし、クーラーを使うとクールビズに反するようですな」

「はい。しかし、命には代えられません」

「クーラーを使うと温暖化で暑くなり、またクーラーを使いますか…」

「ちっとも進化してないですなぁ~」

「退化です…」

「この林も消えるようですぞ。工場が建つとか…」

「人も自然も助かる道はないもんですかなっ!」

「まだまだ暑くなりそうですなっ!」

「はい…」

 文明の進化は、必ずしも人が助かることにはならないようだ。^^


                  完

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