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(9)感激

 相手を感激させることで助かる場合がある。そうなるためには、普通のことをしているようではダメだ。1に努力、2に努力、3、4がなくて5に努力・・というほどのものである。^^ 努力することで普通を上回り、普通の人を、オオッ! と感激させることができるのだ。ただ、計算し尽くされた努力だと感激は生まれない。ええっ!! という意外性が感激を呼ぶ訳である。取り分け、その意外性により助かることにでもなれば、その感激は一層いっそう増幅ぞうふくされることになるだろう。このお話も、そういったたぐいの出来事だ。

 とあるコンサートホールである。どういう訳か予定された開演時間だというのにコンサートは始まっていなかった。

「どうしたんでしょうねぇ~?」

「…えっ? ああ、そうですなぁ~」

 指定席の椅子で隣り合わせた二人が話し合っている。しばらくして、女性の館内放送の声が静かに流れた。

『道路事情により出演者○○○○の到着が遅れております。ご迷惑をおかけいたしますが、到着までの間、◎◎◎◎の歌をお楽しみください』

「◎◎◎◎? 誰なんでしょうな? 余り聞かない方ですが?」

「前座とかあるじゃないですか。同じ所属のデビュー前の方と違いますか」

「ああ、なるほど…」

 しばらくすると、館内放送が流した新人歌手◎◎◎◎が静かに登場し、ひとこと、挨拶をしたあと、静かに歌い始めた。このデビュー前の新人歌手が歌っている間に到着すれば、有名歌手○○○○は一応、助かる訳である。

「オオッ!」「…!」・・・・・・・

 曲のよさと新人歌手の歌の上手うまさに、場内は一瞬にして感激の坩堝るつぼと化した。

「いいですねっ!!」

「はいっ!! もっと遅れりゃいいんだっ!」

「ははは…そこまで言えば悪いですよっ!」

「ははは…」

 遅れたおかげで、デビュー前の新人歌手の登場となり、助かるはずの有名歌手○○○○は全然、助からなかった・・というお話である。意外な出現は感激を呼ぶ訳だ。^^


                  完

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