(79)人
有りがたいことに、私達、人以上に頭のいい生物は、この地球上には存在しない。だから、生存競争で怯えることはない。そうなれば、安心して地球上で繁栄でき、助かることになる。ただ、助かるのはいいが、返ってそれが徒となり、好き勝手が出来るばかりに、多くの生物を絶滅させたり環境を破壊したりしてしまう。挙句の果ては、互いに武力を駆使して殺しあう厄介な生き物なのである。万物の長である霊長類の人として、しっかり生きて欲しいものだ。むろん、私も含む。^^
新しく建て直されるビル工事を遠目に見ながら、二人の老人が公園で話をしている。
「あのビル、まだ20年も経ってないですなっ?」
「はあ…そのようですが、どうもビル会社の都合らしいですぞっ!」
「ほう! そうなんですか?」
「はあ、どうもそうらしいですなっ! なんでも、建前がどうも気に入らないから建て直すとかなんとか…」
「まあ、所有者、その人の自由ですからなっ! 私らがどうこう言う話ではないですが…」
「それは、そうですっ! ただ、どこも傷んでないですから、惜しいですなっ!」
「ったくっ! 所有者がそこで仕事をしている訳でもなく、入っている事務所とかも、総て立ち退きなんでしょ? 困ったものですっ!」
「まっ! 所有する人の勝手ですから…」
「こんな他人事で腹を立てるだけムダですかな、ははは…」
「そうですっ!! 人は人! 自分は自分っ!」
「ははは…隙ありっ! ですなっ!」
「ですなっ! 馬鹿やってら…くらいの気分で、軽くいきましょ!」
「はいっ!」
二人はビル工事が見えない反対側のベンチへ座り直した。
人は人、見ざる、言わざる、聞かざる! の心が一番、助かるようだ。^^
完




