(73)勧善懲悪(かんぜんちょうあく)
勧善懲悪・・という小難しい四字熟語がある。意味は字義のとおり、悪い行いを、ダメですよっ! と懲らしめ、善い行いを、やりましょうよ! と、お勧めする・・とかなんとかいう意味になるらしい。だが、世の中の現実はパフォーマンスが多く、私がやってんですよっ! とばかりに誇示する者達で溢れ返っているのである。要は、自分を多くの人によく見せたい訳だ。^^ これでは世の中、助かるものも助からない。言わば、偽物、紛い物の勧善懲悪なのである。真の勧善懲悪とは、正義の味方が暗躍する姿とも似通っていて、見返りを求めず、そうは自分を主張しない訳だ。^^
夏ともなると、お盆のシ-ズンがやってくる。都会から故郷へ帰省した、とある夫婦の会話である。
「今年もお施餓鬼を、コレ! だけ包んだそうよっ!」
夫の嫁は、手の指で額を強調しながら夫に言った。
「ええっ! そんなにっ!! それだけありゃ、ここへの帰省賃ぐらいにはなるじゃないかっ!」
夫は仰天して驚いた。
「そうなのよっ! なんか今一、シックリこないのよね、私…」
「だな…。今の世は勧善懲悪じゃないってことさ…」
「どういうこと?」
「ははは…お寺さんも、いい、稼ぎどきだからなっ! 商売、商売!!」
「なるほどっ!」
「俺だったら、お金は物を修理したり買ったりして、生きて使うよ」
「それ、一理ありかも…」
「この世で助かることが、あの世でも助かるってことさっ!」
「なるほどっ!」
妻は、ふたたび納得して頷いた。同調するかのように、そのとき微かに風が流れ、軒下の風鈴がチリリィ~~ン! と、いい風情で鳴った。
世の中、助かる勧善懲悪であって欲しいものだ。^^
完




