(66)ようやく
日没が七夕前の7/6[2018]を皮切りに少しづつ早まるようになり、二月もすると、猛暑日と言うよりは酷暑日と言った方がいいような夏の暑気も、ようやく下火の気配を見せ始め、人々は少なからず助かることになる。なにせ、それまでは日中に出歩こうものなら、天日干しに出食わしたような熱気で熱中症になり、そのままチィ~~ン! とお参りされるようなことにもなりかねなかったからである。日中に出歩いて助からないよりは、出歩かない方が助かる訳だ。^^ この場合の[助かる]は、生命にかかわる事態だから、笑い話では済まされない。
仲のいいご隠居二人が冷えたスイカを食べながら話をしている。
「ようやく熱気が和らぎましたな…」
「はい…八月が始まったばかりですがな…」
「ようやくも、まあ形だけで、まだまだこれからですな…」
「そうそう! 最近のようやくは侮れませんっ!」
「ようやく・・と思わせておいて、油断したところで猛暑をっ! ですかっ?」
「はい! なかなか強かですからな、最近の天気はっ!」
「日射病の頃が懐かしい…」
「はあ…昭和三十年代ですなっ!」
「あの頃は、せいぜい31、2℃で、ようやくもようやくでした…」
「そうそう! 季節にメリハリがありましたな…」
そう言いながら、二人のご隠居は、ようやく重い腰を上げた。数時間、飽きもせずスイカ数切れで語り合っていたのである。^^
ようやくはメリハリがつかないと、実感が乏しいようだ。^^
完




