(65)食べ頃
食べ頃・・食べること以外でも使われる言葉である。まあ、フツゥ~は丁度いい具合に物が食べられる状態になっている場合を指すが、比喩として男性が女性に対して言う下卑た言い方もある訳だ。ただ、食べ頃でも、食べる人が食べたいっ! という気分でないと、なんの意味もなくなる言葉だ。^^
スーパー豚野の食品売り場である。一人の主婦が、同じ品を手にしては放し、放しては手にする仕草を繰り返している。買おうか買うまいかを決めかねているのである。そこへ、近所の主婦が通りかかった。
「あらぁ~? どうされましたの、馬毛さん?」
「えっ? あら、舌牛さんじゃありませんのっ!」
馬毛は、嫌なところを見られたわ…くらいの気分で、話題を逸らした。
「食べ頃の美味しそうな桃ですことっ!」
「そうなんですけど、お値段がちょっと…。もう少しお安いと助かるんですけど…」
「あら、確かに…少しお高いかしら? スーパー角鹿でしたら、コレと同じ品が2割ほど安かったと思いますわよ」
舌牛は親切に馬毛へアドバイスをした。
「あらっ! 有難うございますっ!」
馬毛は、すぐにスーパー角鹿へと向かった。
「すみませんっ! つい今しがた、売り切れちまったんですよっ!」
馬毛が訊ねると、スーパー角鹿の店員は、申し訳なさそうにそう返した。
「売り切れたの? 仕方ないわね…」
馬毛は、スゴスゴとまたスーパー豚野へと戻ったが、すでに先ほどの食べ頃の品は売れ切れていた。
このように、食べ頃は待ってはくれないから、手に入れられるときに手に入れよう。そうすれば、食べられるから、助かることになる。^^
完




