表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/100

(64)謎(なぞ)を呼ぶ

 どうしても不可解で分かりにくい内容が生じた状況を、人は[謎なぞを呼ぶ]と表現する。難解な事態に至った場合は、さらに強調して[謎が謎を呼ぶ]などとも言う。別に呼ばなくてもいいのに呼んでしまう訳だ。^^ 昨今さっこん流行はやりのサスペンス・ドラマなんかでは、特にこの傾向が強い。ドラマの場合だと、謎が謎を呼んだ挙句あげく、迷宮入りする・・ということはなく、すべてスンナリと解決して助かるすじ立て[プロット]になっている。だが、現実の社会では謎が謎を呼んでばかりで、警察諸氏の努力にもかかわらず未解決事件が頻繁ひんぱんに横行している事実は、実になげかわしいと言わざるを得ない。^^

 夏休みということもあり、夫、妻、子供の五人家族が車でとある観光地へ小旅行に出かけた。出かけたのはいいが、高速道のサービスエリアへ車を乗り入れたとき、問題が起こった。

「父さん、ガソリン入れてくるから、みんな先に何か食べていてくれ…」

「分かったわ。それじゃ…」

 妻と子供三人が車から降りようとしたときである。

「おい、財布!」

「財布? 財布は出がけにあなたに渡したじゃないのっ!」

「馬鹿言えっ! 渡されたけど、『トイレにいくからお前持っていてくれ』って返したじゃないかっ!」

「そう言われたけど、『財布くらい持っていなさいよっ!』って、また渡したじゃないのっ!!」

「…そうだったか? じゃあ,財布はどこへいったんだっ!!」

「知らないわよっ! まさか、勝手に歩きゃしないでしょ! あなた、どこかに入れ忘れたんじゃないのっ!」

「そう言われてもなぁ…」

 夫はズボンのポケット、服の内ポケット・・と、あちらこちら探し回ったが結局、なかった。

「困ったな…。ねえよっ!」

「困ることないよ、パパ。はいっ!!」

 そのとき、三才になる次男が財布を手渡した。

「… ああ、そうそう!! ははは…手渡したっ、手渡したっ!」

 夫はトイレの前でヒョヒョコ歩いていた次男に財布を手渡し、そのことをすっかり忘れていたのである。謎を呼んだ一件は、呆気あっけなく解決を見て、家族は助かることとなった。

 このように、謎を呼ぶ出来事も、意外な結末で助かり、謎に帰ってもらうことも多々、ある。^^ 


                  完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ