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(59)許容範囲(きょようはんい)

 人が耐え忍ぺる限度はそれぞれ違い、その行為の許される限度が変化する。その人が受け入れられる範囲は許容範囲きょようはんいと呼ばれる。許容範囲が広い人は、「あの人は、よく出来た、いい人だよ…」などとかげで囁かれたりする。囁かれたくて、意識して許容範囲が広いように見せる人も当然、出てくる。だがそれは、純金ではなく上辺うわべだけの金メッキで、すぐげたりバレたりする。^^

 とある神社の縁日えんにちである。多くの露天が出て、多くの参詣客でにぎわっている。その中の三人が鉄板焼き蕎麦そばの屋台前で話している。

「いやいや! そういう下世話なものは私、口にしないんですよっ!」

「そうなんですか? ここのは美味おいしいのになぁ~! じゃあ、ここで待ってて下さい。すぐ食べてしまいますから…。親父さん、二人前、お願いしますっ!」

「へいっ!!」

 露店商は、嫌味いやみを言った男をギロッ! と一瞥いちべつしたあと態度を豹変ひょうへんさせ、注文した二人に愛想笑いした。

 しばらくすると、鉄板焼き蕎麦のいい匂いがあたりにただよい始めた。そのとき、嫌味を言った男の腹がグゥ~~!っと鳴った。

「…わ、私も向学のため、ひとつ食べてみましょう!」

「そうですか? じゃあ、もう一人前っ!」

「へいっ!」

 露店商は仏頂面ぶっちょうづらで、『下世話なものを食うんかいっ!』と切れかけたが、あとの二人の態度で許容範囲が広がったせいか思うにとどめ、小さく返した。危うく、トラブルになるところだったのである。

 このように許容範囲外でも、取り巻く環境で範囲が広がって助かることもある訳だ。^^ 


                  完

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