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(58)程度

 程度・・なんとも分かりにくいファジーな言葉ながら、この言葉の曖昧あいまいさで大いに助かることが結構ある。たとえば、「ああ、その程度でいいよっ! 有難う…」と言われた場合、言われた側は、『この程度でいいんだ…』と、数値的に、はっきりしない感じを思う。ところが、次回に同じ程度にしたところが、「ダメダメっ! もっとやってもらわないとっ!」と怒られたりする。言われた側は、『馬鹿野郎! いったい、どの程度なんだっ!!』と、怒られた以上に怒れる。^^ こんな漠然ばくぜんとした言葉が程度なのだが、「まっ! 少し違うが、いいだろう!」と、ほぼ正解という程度で許されたりもする。ただ、ほぼは、ほぼであり、ソレではないから、本人が有頂天になるほどのことではない。^^

  猛暑が続く、とある夏の午後である。

「お父さま! スイカを切りましたわっ!」

 滾滾こんこんと湧き出る洗い場の冷えた水で身体をく隠居の恭之介が、息子の嫁の未知子に声をかけられた。

「未知子さん、どうも、すいません…」

 いつもきびしい恭之介だったが、未知子には青菜あおなに塩で、この日も、すぐえるのだった。しばらくして、縁側へ腰掛けた恭之介に、未知子が手盆の冷えたスイカのスライスをすすめる。

「塩加減が少し弱かったかも知れませんが、お塩、振っときましたわ」

「いや、どうも…」

 恭之介は手盆の上のスイカの一切れをたったの三口みくちで食べくした。

「おお! ちょうどいい塩加減です。この程度が一番、いいんですっ!」

 塩加減が少し弱い・・と言われた恭之介だったが、思った以上に塩が効いていて少し塩辛かった。それでも出た言葉は思った言葉ではなかった。やはり、未知子には程度など関係なく弱い恭之介だった。それでも、未知子はそう言われたことで傷つかず、助かることになった。

 毎度、おなじみの、湧水家の夏の一コマでした。^^


 ※ ふたたび、風景シリーズのお二方ふたかたにスピン・オフでご登場いただきました。^^ 


                  完

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