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(48)物(もの)

 この世の三次元世界をえらいお方にでもなった気分でうかがえば、ものの本当の姿が見えてくる。まず、物には生き物と、そうでない物がある・・ということだ。そうでない物とは生物の逆だから死物・・と呼べるだろう。事故でも物損ぶっそんで済めば助かるが、人損事故にでもなれば大ごとで、助かるものも助からない。物を支配するのが、他ならぬ私達、人間なのだから、これはもう、責任が重い・・と言わざるを得ない。そんなタワごとをブツブツ言ってないで、笑わせてくれっ! とダジャレで怒られる方もあろうが、それも一理いちりある。^^

 とある家庭の一場面である。夏休みということもあり、朝から兄と妹が大層、にぎやかに騒いでいる。

「お兄ちゃん! 私の小物入れ知らないっ?!」

「馬鹿野郎! そんな物、俺が知ってるかっ!」

「そんなことないわよっ! この前、いいの持ってるな、それ買ったのか? っていてたじゃないっ!」

「…ああ、そんなこともあったか?」

「あったわよっ! 絶対、あった!!」

「…まあ、あったとしてだ。知らないものは知らないっ!」

「とかなんとか言って…」

「ば、馬鹿っ! あんな小物入れ、どうすんだよっ!」

「まあ、そう言われりゃ、そうだけど…」

「出物 はれ物、ところ嫌わず・・って言うぞ。そのうち、スゥ~っと出てくるさ」

「あらっ! その言い方、おかしいわよっ! その場合の物はトイレのアレとか皮膚に出来るオデキでしょ?!」

「ああ、そうか…。まっ! いずれにしろ、物は物だっ! ははは…」

 笑った瞬間、兄は机の上を見た。そこには、小物入れが、私はここにいますよっ! と、存在を主張するように置かれていた。

「ははは…なっ!!」

 兄は自慢げに机を指さし、妹に言った。だが、そのタイミングは悪かった。

「でも、なぜ、そんなところにあるのよっ!」

「んっ? さあ…」

 兄は言葉を失った。

 物はあった方が助かる場合と、なかった方が助かる場合がある・・という、なんとも物騒がせな話である。^^


                  完

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