表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/100

(42)空腹(くうふく)

 空腹くうふく・・これはもう、動物にとっては大変な事態である。この状態が続けば飢餓きがとなるが、こんなときにフッ! と食べ物が現れたり食べられたりすれば、大層、助かる。こんなフッ! と助かる状況に至るのは、おそらく有り難い神様か仏様のおめぐみに違いない。^^

 とある田舎にある町役場の生活環境課である。昼の三時過ぎ、疲れ果てたようにトボトボと犬山が帰庁した。

「どうしたんだっ? 偉く遅かったじゃないか…」

 同じ課の職員、白鷺しらさぎが犬山に声をかけた。

「いや、どうもこうもない。行方不明になったニワトリを探してくれっ! という依頼があったから行ったまではいいが、あと一羽が見つからず、この時間だ…」

「どういうことだ?」

「どういうことも、こういうこともない。まあ、そういうことだっ! おかげで空腹を通り越して、歩く力もない…」

「ははは…。そりゃ、難儀なんぎだったなっ! で、ニワトリは何羽だったんだっ?」

「16羽!」

「ニワトリだけに2[に]×8[わ]=16羽ってかっ!?」

「馬鹿なダジャレをっ! それより、なにか食べるものはないか!」

「食堂へ行きゃいいだろうが?」

「そんな力は、もうない…」

「ははは…大げさな。遅かったから店屋物の天丼、注文しといたぞっ、安心しろっ! もう来る頃だ…」

「ぅぅぅ…助かるっ! 持つべきは食いともだなっ!」

 犬山は思わすぅぅぅ…と涙しながら合掌がっしょうして白鷺をおがんだ。

「ははは…食い友かっ、それはいいっ!」

 白鷺は国宝の城のように優雅ゆうがに笑いながら返した。

 空腹で助かる状況に至れば、思わず合掌して拝むようだ。^^


                  完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ